7月 18, 2023 19:10 Asia/Tokyo

アメリカの元国務長官で気候変動問題担当大統領特使のジョン・ケリー氏が16日日曜、中国・北京を訪問しました。米政府高官による中国訪問は、先月からこれで3度目となります。

アナリストらは、この立て続けの米当局者による訪中が、米中間の問題を軽減させて再びコミュニケーションを図ろうとする試みだと見ています。

昨年のペロシ元米下院議長による台湾訪問、台湾への大規模な武器売却および軍事支援、アメリカの新たな対中関税・制裁発動などを受けて、米中関係は現在、悪化の一途をたどっています。

ケリー氏の今回の訪中は表面上、気候問題への対処が主な目的ですが、経験豊富な外交官でもある同氏には、米中関係に生じた齟齬の軽減という、もう一つの重要な使命があるとされています。

しかし、アメリカ当局者によるこうした訪中の裏側には、同国のより大きな目的が見え隠れしています。

アメリカは、中国とロシアがより接近して関係を拡大させることを、非常に懸念しています。中国は、ロシアの緊密な同盟国の一つです。同国はロシアがウクライナとの戦争を開始したことを非難していませんが、この二国の間を取り持つ調停役になろうとする姿勢もとっています。

アメリカはまた、中国製兵器の対ロシア輸出を懸念し、ロシアへの軍事援助により戦況が同国に有利に傾く可能性があると主張しています。

ロシアと中国は近年、アメリカの一極主義的な政策や行動に対し、共闘の立場を取っています。両国はともに、新たな国際秩序の基礎となりうる多極主義を追求しています。両国首脳は、国際情勢・秩序の現状が、世界が多極主義に向かっていることを示すものだと考えています。

しかしアメリカは、一極主義体制が引き続き維持されることに固執しています。アメリカは、一極主義により世界の警察を自認することで、自らの目的や望みを叶えようとしているのです。

アメリカのこのような一極主義への固執の一方、ロシアと中国の高官らは、両国関係の発展や、世界の新興国間の協力を拡大させることを望んで動いています。それを象徴するものの一つが、ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカから成るBRICS・経済新興5カ国グループであり、SCO・上海協力機構なのです。

 


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