マレーシア、国際商取引でのドル排除プロセスを支持
マレーシアが、国際取引からの米ドルの排除を決定しました。
アメリカが自国の通貨ドルを手段としてかつ政治的に利用していることを受け、多くの国が国際貿易での米ドル使用廃止を決定しました。ここ数カ月間で、各国間取引における脱ドル化の傾向が強まっています。特にイラン、ロシア、中国、インド、そして最近ではマレーシアを含む一部の国が、より本格的に取引でのドルの排除に踏み切っています。
イルナー通信が11日水曜、報じたところによりますと、マレーシアは米ドルの覇権に対抗するため、ドル建て廃止に関してBRICS経済新興国グループと同じ道を辿っています。
アンワル・マレーシア首相は今月10日、同国議員らに対し「我が国は国際取引での米ドルへの依存を止めることを決めた」と表明しました。
また、「マレーシアとして脱米ドル化に向け努力する意向であり、国際取引では自国の通貨リンギットを使用することになるだろう」と述べています。
さらに、「米ドル依存の終了に向けて、必要な最初の足掛かりを踏み出している」としました。
加えて、インドネシア、タイ、中国との通商協定に触れ、マレーシアとしてこれらの諸国との貿易におけるリンギット使用のプロセスを開始すると表明しています。
アンワル首相はさらにマレーシア議員らに対し、BRICSの構成国の1つである中国との取引でのリンギット使用例を増し、米ドルの使用を減らすことを自国の脱米ドル化計画の一環だとしました。
今年の米ドルに対するリンギットのレートは7.6%低下しています。
なお、世界の多くの国がG7・先進7か国グループやG20・20か国・地域といった経済グループにおける西側の支配からの脱却を目指し、現在はブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成されるBRICSへの参加意向を表明しています。なお、2024年1月からはイラン、アルゼンチン、エチオピア、UAEアラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプトがこの経済グループに加わることになっています。
米ドル排除は、 BRICS 加盟国の目標の 1 つとなっています。