韓国、「北朝鮮軍が、海上越境の韓国政府職員を射殺した可能性あり」
韓国政府が、「韓国海洋水産省所属の職員が北朝鮮軍の銃撃を受け、死亡した」として北朝鮮を非難しました。
韓国・ヨンハプ通信は21日月曜、「黄海上にある南北朝鮮の海上の軍事境界線にあたる北方限界線を越えて、北朝鮮側の海域に入った韓国海洋水産省所属の職員が延坪島付近で行方不明となった」と報じました。
ヨンハプ通信が韓国軍当局者を引用して伝えたところによれば、「男性は北朝鮮入りを試みて海に飛び込み、北朝鮮海域に入った可能性がある。22日15時30分頃、北朝鮮の水産事業所の船舶が、ライフジャケットを着て浮遊物に乗っている男性を発見した。防毒マスクや防護服を着用した北朝鮮側の船員が一定の距離を保ちながら男性に事情を聴いたとみられる。その後、北朝鮮軍が男性を海上で射殺、その後、男性の遺体を燃やしたとされる」としています。
韓国国防省は24日木曜、声明を発表し、この職員が北朝鮮側に殺害されたと主張するとともに、「北朝鮮側の蛮行を強く非難する」として、今回の行動に関する説明及び、銃撃などに関与した当事者の処罰も求めた、とされています。
この声明ではさらに、「この職員が北方限界線を越えた後、北朝鮮側が発砲を始めて殺害し、その後にその遺体を燃やした」とされています。
韓国国防省はまた、この事件の全責任は北朝鮮に帰するとして警告しており、23日にはUNC国連軍司令部を通じて北朝鮮に通知文を送り、行方不明の男性に関する情報を求めたものの、返信はないということです。
これに対し、北朝鮮政府は韓国のこの主張に対しコメントを一切発表していません。
韓国と北朝鮮はこれまでに多数の合意書に調印していながら、南北関係はこのところ緊張が高まっており、北朝鮮は今年6月には韓国との通信網を最初に切断し、その後には韓国に近いケソンにある南北共同連絡事務所を爆破するという行動に出ていました。
特に金労働党委員長の実妹である金与正氏が北朝鮮指導部内でより強い発言権を持つ要職に就いた後、南北関係の悪化が浮き彫りになっています。
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