慰安婦被害者を描いた漫画「草」 米ハーヴェイ賞を受賞
10月 12, 2020 17:08 Asia/Tokyo
旧日本軍の慰安婦被害者、李玉善(イ・オクソン)さんの証言を基に描かれたキム・クムスクさんの漫画「草」が米ハーヴェイ賞の「最高の国際図書」部門を受賞しました。
韓国のヨンハプ通信によりますと、韓国漫画映像振興院が12日月曜、この報を伝えました。
ハーヴェイ賞は米国の漫画家であり編集者のハーヴェイ・カーツマンの名を冠した賞で、漫画界のオスカーとも呼ばれています。
受賞作は9日に米ニューヨークでオンライン方式により開かれたポップカルチャーイベント「コミックコンベンション(コミコン)」で発表されました。
作者のキムさんは授賞式で受賞を光栄に思うとし、「草」が多くの人の手に渡り、抑圧されている女性の声に耳を傾ける機会になってほしいと話しています。
「草」は2016年に韓国の創作漫画コンテストで最優秀賞に選ばれた作品で、英語、フランス語、イタリア語、日本語など12カ国語に翻訳され、海外で出版されました。またフランスの日刊紙「ユマニテ」が主催する第1回ユマニテ漫画賞で審査委員特別賞を受賞するなど、国内外で高く評価されています。
1971年に全羅南道で生まれたキムさんは、7歳のときにソウルに移り住み、大学卒業後は彫刻家、漫画家として20年近くフランスで活動しました。
2011年に韓国に帰国してからは、「済州島四・三事件」や韓国の原爆被害者などを扱った作品を発表しており、最近では朝鮮戦争当時の離散家族を扱った漫画を出版し、フランス語版と英語版の出版準備を進めています。
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