ミャンマー軍によるクーデター抗議者への警告
(last modified Tue, 09 Feb 2021 14:33:56 GMT )
2月 09, 2021 23:33 Asia/Tokyo
  • ミャンマーでの抗議デモ
    ミャンマーでの抗議デモ

ミャンマー軍は、継続する街頭抗議に対し、クーデター抗議者らに警告しました。

ミャンマー軍は今月1日、アウンサンスーチー氏率いる与党・国民民主連盟に対して、議会選挙に不正があったと抗議し、クーデターを行いました。

ミャンマー軍は、クーデター中にウィン・ミン大統領、アウンサンスーチー氏、および他数人の当局者の身柄を拘束しています。

ミャンマー軍は、ラジオ、テレビを通じた声明の中で、国内のクーデターに抗議する人々に警告し、街頭でのデモの終結を求めました。

数千人のミャンマー市民が3日連続となる8日月曜にも街頭に繰り出し、軍事クーデターを非難するとともに、身柄を拘束された人々の釈放を求めました。

ミャンマーでのクーデターに対する街頭抗議の開始及びその継続は、国軍がクーデターを計画する際に確実に予想した問題です。

もちろん、ミャンマー軍は、国会選挙不正と、1年後に再選挙を行うという約束、さらには国民投票による政府への権力譲渡などといった口実が、クーデター後のミャンマーでの抗議を軽減するには効果的である可能性が高い、との期待を抱いていました。

しかし、クーデターに対する国内の抗議は限定的である、とするミャンマー軍高官の期待に反し、民主主義に違反し、政府を追放するために軍事的手段や武器が違法に使用されたことを非難する数千人のミャンマー市民による大規模な抗議は、ミャンマー軍がクーデターによって遭遇している問題が今後数日、数週間後にはより拡大する可能性があることを示しました。

ミャンマー軍からの警告にもかかわらず、同国での民主主義に対する軍事クーデタへの抗議が継続すれば、現在ミャンマーを支配する軍には、街頭抗議から生じる問題を克服するために2つの選択肢があります。

第1のシナリオでは、ミャンマー軍は国内の抗議者に対する暴力的な鎮圧を行動目標としています。このようなシナリオが実行されることは、兵士らによる暴力的な衝突の中で抗議者らの殺害や負傷につながることになるでしょう。この問題は、国内の危機を深める一方で、クーデターを起こした軍および軍高官を地域および国際機関、さらに一部諸国からの政治的、さらには経済的圧力に直面させる可能性があります。

第2のシナリオは、ミャンマー軍は、クーデターへの抗議者を激しく取り締まるのではなく、街頭抗議という危機の拡大を防ぐため、これらの抗議者の代表と政治グループの指導者と対話し妥協するというものです。

第2のシナリオでは、軍は、クーデターに反対する抗議者と政党の代表者に、これらの人々が比較的満足できる重要な提案を提示する必要があります。

ミャンマー軍が、今後1年以内に再び議会選挙を行い、国民投票により誕生する政府への権力譲渡という約束は、この国の人々にはまったく受け入れられるものではありませんでした。街頭抗議での彼らの広範な存在は、軍が提案した計画を受けいれられないものであることから生じたものです。

したがって、ミャンマー軍が鎮圧と弾圧政策を採る代わりにこの国でのクーデターへの抗議を鎮めようとするのであれば、クーデター後の民主主義の運命についての新しい提案を提示しなければなりません。そして確かに、その要素の1つは、再選挙実施のために宣言した1年と言う期間を短縮し、その過程で各政党を参加させるということにあります。

 

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