ケシ栽培の増加;20年にわたる米軍のアフガン占領の負の遺産
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アフガンでのケシ栽培と麻薬の生産
過去20年間にわたるアメリカのアフガニスタン占領により、アフガンではアヘンの原料となるケシ栽培と麻薬の生産が増加しました。
ロイター通信によりますと、20年間におよぶ米のアフガン駐留は、アフガンでのケシ栽培の減少につながるどころか、ケシ栽培および麻薬生産が毎年増加し、2001年以降のアヘンの生産量は年間9000トン以上と前例のない水準に達しています。
この報道によりますと、今年はアフガンの22の州の延べ22万4000ヘクタールの土地にケシが作付けされ、同国での麻薬生産の増加につながっています。
アフガンの多くの政治活動家は、「米軍が麻薬の生産と密売に関与していたため、毎年ヘルマンド、ウルズガン、カンダハールの各州の農場では、アヘン収穫期に、麻薬栽培地域からアメリカの多数の航空機が飛行する光景が目撃されていた」とコメントしています。
これに関連して、アフガン国家統計局とUNODC・国連薬物犯罪事務所は共同声明を発表し、アフガンの多くの地域でケシ栽培が増加していることを明らかにしました。
ロイター通信はまた、アフガンの現支配勢力・タリバンに対する制裁によりケシ栽培が増えるだろう、と報じています。
タリバンはアフガンの政権を掌握した後、国際社会に対しケシ栽培の根絶および、その代替作物の作付けに向けた協力を求めましたが、これまでに発表されている複数の報告によりますと、タリバンの政権掌握以来、アフガンでのケシ栽培は減少していないということです。
こうした中、カタール国営衛星通信アルジャジーラテレビは、タリバンがアフガンでのケシ栽培の終了を発表したにもかかわらず、この国の農作業者はその作付け・栽培を大規模に続けている、と報じました。
アフガニスタンは、世界最大かつ最も主要なケシとアヘンの生産国の1つです。
アフガンの多くの農業従事者とって、ケシ栽培は生計を立てる唯一の手段となっています。
アフガンの農業従事者にとって、ケシの栽培は生活の糧を得る唯一の手段です。
彼らは、アヘンを販売することで家族にその日必要な食べ物を調達できる、としています。
これらの人々の話では、農業従事者は支援を受けておらず、他の作物を栽培するのに十分な水がないため、ケシ栽培が彼らに残された唯一の選択肢だということです。
こうした中、ケシから作られた麻薬の売買は数百万ドル規模の貿易を伴う業界であり、多くの人々がこの貿易により巨額の利益を得ています。
米国とその同盟国は、アフガンでのテロとの戦いと治安確保を名目に、2001年に同国に侵攻しました。
しかし、アメリカによるこの占領は内戦や紛争、アフガンの経済インフラの破壊の原因となり、同国内の情勢不安やテロ、麻薬の生産も増加しました。
米軍は20年間の占領の後、去る8月下旬に遂に屈辱にまみれながらアフガンを撤退しました。
なお、同月15日以降は現支配組織であるタリバンがアフガンの政権を掌握しています。
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