北朝鮮が新型戦術誘導兵器を発射
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北朝鮮が新型戦術誘導兵器を発射
北朝鮮の朝鮮中央通信が、同国のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記の立ち会いの下、「新型戦術誘導兵器」の発射実験が成功裏に行われたと報じました。
北朝鮮は今年に入ってから、前例のない規模でミサイル発射実験を行っており、3月には2017年以来となるICBM大陸間弾道ミサイルを発射しました。
北朝鮮は、アメリカが北朝鮮の政権打倒を目指す敵対政策を止めない限りは、自らの核・ミサイル計画を決して放棄しない、と表明しています。
韓国・ヨンハプ通信が17日日曜、ソウルから報じたところによりますと、朝鮮中央通信は「党中央が関心を示す中で開発されてきた新型戦術誘導兵器体系は前線長距離砲兵部隊の火力打撃力を飛躍的に向上させ、朝鮮民主主義人民共和国の戦術核運用の効果性と火力任務多角化を強化するのに大きな意義を持つ」と伝えています。
また、キム総書記は「防衛力と核戦闘武力の一層の強化」を指示したということです。
今回の発射実験はTEL移動式発射台に搭載された発射管(2個と推定)から発射され、運用体系から米陸軍戦術ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」に類似した「KN24」と似ているとされています。
ただ、外形は「北朝鮮版イスカンデル」KN23と呼ばれるロシア製短距離弾道ミサイル」に近いとされ、2個の発射管を搭載したTELから発射できるよう、KN23を改良した可能性が指摘されています。
一部の専門家は、KN23とKN24の技術的な長所だけを盛り込んだ「新型戦術地対地ミサイル」の可能性も示しています。
発射実験の公開は、韓米軍事合同演習の指揮所訓練(CCPT)を翌日に控えて行われました。
北朝鮮のミサイル発射は「火星17」と主張する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した先月24日以来で、今年に入っては13回目となり、韓米軍事演習に反発した武力示威の可能性が高いとみられます。
北朝鮮が公開した写真のうち、ミサイルが島に命中するものもあり、北朝鮮は具体的な場所については明らかにしていませんが、東部の元山沖の島と推定されています。
なお、18日月曜からは米韓合同軍事演習が韓国で始まる見通しで、北朝鮮の反発が予想されるほか、25日には朝鮮人民革命軍の創設90年の節目を控えていることから、韓国軍は、北朝鮮によるさらなる弾道ミサイルの発射などへの警戒を続けています。