ロシアが日本産魚介類の輸入に暫定制限措置、 16日から
10月 16, 2023 20:55 Asia/Tokyo
ロシアが、日本産魚介類に輸入に暫定制限措置を発動します。
ロイター通信などのほか、日本の報道各社によりますと、ロシア連邦動植物衛生監督庁は16日月曜、同日から日本産水産物に対する暫定的な輸入制限措置を発動すると発表しました。
これに関して同庁は、「予防的措置として、2023年10月16日より日本産の魚介類に対する中国の一時的な制限措置に合流する」と表明しています。
この措置は、福島第一原発から出る処理水の海洋放出を受け、中国が導入した禁輸措置に歩調を合わせたもので、輸入水産物の安全が確認され、ロシアや旧ソ連諸国が加盟するユーラシア経済連合の要件を満たすまで続けられるということです。
また、同庁の専門家も分析を行うとしています。
今回の決定を受け、日本外務省はゲンナジー・オベチコ駐日ロシア臨時代理大使に対し、「極めて遺憾で撤回を強く求める」と申し入れました。また、安全性について科学的根拠に基づき、ロシア側に丁寧に説明してきたと主張しています。
日本の農林水産省によると、2022年のロシアへの水産物輸出は、日本の水産物輸出額全体の0.1パーセントにとどまっています。また、露全国漁業者組合によると、ロシアの水産物輸入に占める日本産の割合も1パーセント未満となっています。
日本は去る8月から、福島原発の処理水の海洋放出を開始しましたが、これにはかねてから中国や韓国、太平洋上の諸国のほか、福島の地元民などの間から反対の声が上がっていました。
最近の海水の調査では、許容水準を超えるトリチウムなどの放射性物質は検出されていませんが、今後も注意深く状況を見守る必要があると言えそうです。