イラン司法府報道官、「ヌーリー氏に対するスウェーデン裁判所の判決は不公正」
イラン司法府のセターイェシー報道官が、スウェーデンの裁判所が出したイラン国民のハミード・ヌーリー氏に対する終身刑の判決を、不公正かつ不当であるとしました。
ヌーリー氏は、2019年11月9日にスウェーデンへ入国した際、同国の治安当局により家族問題を理由に身柄を拘束され、それ以来30ヶ月以上にわたり拘留されています。
ヌーリー氏は拘束後、あらゆる国際法に反して4ヶ月の間、自身の家族と連絡を取る許可を与えられませんでした。スウェーデン司法当局はまた、ヌーリー氏を2年間独房に拘留し、家族が同氏に会うため幾度もスウェーデンを訪問していたにも関わらず、面会の機会を設けて直接会うことを許しませんでした。
ヌーリー氏は、34年前のイランでの事件に関与したとして、スウェーデンの検察庁から罪に問われていますが、この事件の原告は、ほとんどが反イランテロ組織MKOモナーフェギンのメンバーです。
一方、1979年のイラン・イスラム革命以来、モナーフェギンはテロ活動で1万7000人以上のイラン市民を暗殺してきました。このテロ組織はまた、非人道的な行動と人道に対する犯罪を引き起こしたことから、世界の多くの国のテロ組織リストに加えられています。
イルナー通信によりますと、セターイェシー報道官は19日火曜、スウェーデンの裁判所が出したヌーリー氏への終身刑判決に関して記者会見を行い、同判決が不公正かつ不当であるとして、「この判決は、裁判手続きが原則や法規に即したものではなかったことから不名誉なものであり、異議申し立ての対象になるケースだ」と指摘しました。
続けて、「被告人となったヌーリー氏は、市民としての司法上の基本的権利も奪われていたが、これは国内法や国際協定のいずれにも即していない。国際社会の良心は、この問題を受け入れないだろう」と述べました。
そして、「この事件の調査過程は、完全に違法かつ歪曲され、証言のみに重きを置いたものであり、法的な捜査は行われていない」と説明しました。