イラン原子力庁長官、「核合意規定によるIAEAのカメラを撤去・封印」
エスラーミー・イラン原子力庁長官が、「核合意に定められたIAEA国際原子力機関の監視カメラは撤去・封印された」と語りました。
アメリカ側に求められていた政治的意思の欠如により、同国の核合意復帰が遅延したことを受け、対イラン制裁の解除を目指したオーストリア・ウィーン協議は中断しました。
これを受け、アメリカと英独仏3カ国はシオニスト政権イスラエルの圧力により、グロッシIAEA事務局長とともに対イラン決議を採択しています。
この決議は、善意により行われたイランとIAEAの大規模な協力を無視した内容となっています。このため、イラン原子力庁も同国内にある保障措置外のIAEAの監視カメラの作動を停止させたことを明らかにしました。
そして今回エスラーミー長官は、「当機関は核合意によるIAEAの監視カメラの撤去・封印した」と述べました。
さらに、「イラン核問題に関しては何度も国連安保理に付託された。そしてわが国に反対する決議が採択され、制裁が行使された」としています。
そして、「核合意の基本は、疑惑の解消および信頼の構築であった。わが国は、ウラン濃縮活動の制限と核関連活動を減少させることを受け入れ、信頼を構築するはずだった。だが、相手側はこれを守らなかった」と語りました。
エスラーミー長官によりますと、「核合意で決められた監視カメラは、疑惑解消を目的に設置された。もし、疑惑がそのまま残るなら、これらのカメラを作動させておく意味がなくなる」ということです。
エスラーミー長官はまた、「イランは決して隠蔽工作などしたことはなく、IAEAとの示し合わせなしで、枠組み外のウラン濃縮を行ったことはない。重水の創出とイランの原子力産業のすべてのインフラは、政府機関によって調整され、その監視下にあり、この監視は現在も実施されている」としました。