欧州3カ国の非建設的な声明に対するイランの反応
キャンアーニー・イラン外務省報道官が、欧州3カ国・英独仏の非建設的な内容の声明に反応し、これらの国に向かって、外交プロセスの破壊段階に入るのではなく、残っているいくつかの対立点の解消方法を提示すべく、より積極的に行動するよう求めました。
イランとの核合意に署名した英独仏は10日土曜、声明を発表して、イランとの核協議に関する自らの一連の主張を繰り返すとともに、「我われが合意に近づきつつある中、イランは、個別の問題を新たに提起したものの、これらの問題はNPT核兵器不拡散条約およびIAEA国際原子力機関との保障措置協定に基づく法的強制力のある義務に関したものである」と表明しました。
この声明ではまた、「この最近の要求は、核合意 を成功裏の結果に到達させるというイランの意図と責務に大きな疑問符をつけるものだ」とされています。
イルナー通信によりますと、キャンアーニー報道官は10日夜、英独仏の善意に反した非建設的な声明への反論として、「当事国と調整者との間で交渉決着に向けた外交的交流やメッセージの交換が行われている状況で、ヨーロッパ3カ国が本筋から逸脱した行動により、また協議での成果に達しうるアプローチから乖離してこのような声明を発表したことは遺憾であり、驚きを禁じえない」と語りました。
また、制裁解除合意を成立させるいうイランの善意と真剣な意志に触れ、当初から交渉プロセスに反対し現在はこの交渉の決裂に全力を挙げている第三国の影響について、ヨーロッパ側関係国に警告しました。
そして、「欧州3カ国こそがこのような性急な声明により、核交渉の決裂を狙ったシオニスト政権イスラエルの方向に一歩踏み出したことは甚だ遺憾であり、また英独仏がその責任を問われることは明らかである」としています。
さらに、「欧州諸国が、数百発の核弾頭を保有し国際的な核不拡散体制のいずれにも従わない政権を全面的に支持しておきながら、世界最大規模の査察・監視下にあり完全に平和的なイランの核計画に反対する世論操作に熱を上げていることは、全く遺憾である」と語りました。
続けて、「イランはまだ合意成立・妥結への決意と準備がある。また、必要な意志があり外的圧力の影響を回避できれば、迅速な合意到達が可能であると信じている」と述べています。
今月2日、キャンアーニー報道官は制裁解除の可能性に関する合意草案の本文に関する米国の対応についての、イラン側の見解書の送付を明らかにしました。
核協議におけるイラン代表団は、合意成立に必要なのは、確実な制裁解除が何らかの形で保証されること、そしてこの問題が将来的にイランに対する圧力行使手段として残されるべきではないことであり、イランが求めているのは、国民の経済的利益が保証され、イランの対外貿易、石油売却に関する一連の違法な制限を撤廃するような合意である、と強調しています。