視点
対イラン通商協力に関する中国商務省の報告
中国商務省が、「わが国は過去10年間において、イランにとっての最大の貿易パートナー国だった」と表明しました。
イランのライースィー大統領の最近の中国訪問後にこの報告が出されたことは、重要とみなされています。それは、西側諸国のメディアが今回のイラン大統領の訪中を成果のない失敗した訪問として吹聴しようとしているからです。こうした中、今回のライースィー大統領の中国訪問では、両国の間で貿易、農業、工業、再生可能エネルギー、インフラなど、あらゆる分野での協力拡大に関する良好な合意が成立しました。
昨年の中国とイランの間の貿易額は、2021年と比較して7%増の158億ドルに達しており、このことは両国の通商・経済部門での貿易関係が発展しつつある傾向を示しています。
これに関して、ある中国人経済専門家は「イランと中国の関係はあらゆる分野で拡大しており、現在までのところ、この関係を崩すためのアメリカの工作は失敗に終わっている。これにより、イランと中国、そしてロシアとの間に三方からの枢軸が形成されることになった。間違いなく、そのような枢軸は米国の利益ではなく、米国はそれが自らの世界的覇権にとっての障壁であると考えている」と語りました。
実際、米国は、自らの国際的政策や見解に反対する国々の間で協力の強化を極度に恐れており、自らの世界的覇権がアジアの諸大国によって危険にさらされることを懸念しています。このため、アメリカはあらゆる手段を使って中国とイランの関係をかく乱しているのです。その中で最も重要なのは、中国とイランに対する制裁の強化です。 しかし、この両国は自国の国益を熟知し、すべての分野での協力拡大というマクロ戦略を採用しており、これまで相互関係にいかなる混乱も許していません。
イランの政治評論家アボルファズル・ゾフレヴァンド氏はこれに関して、「イランと中国の関係は多方面から見て重要であり、それは世界的な均衡をとる上で非常に効果的である。 これは、世界は情勢が新たになろうとしていることを意味している。このことは確実にアメリカにとって望ましくない。したがって、イランと中国にとって重要なことは、国際情勢に対するアメリカの破壊的な影響を阻止できることである」との見解を示しました。
とにかく、中国とイランは、SCO上海協力機構などの枠組みの下での多国間協力の強化を決意しています。この方向性にそって見ると、ECO経済協力機構を含む南西アジアの地域組織にイランが加盟していることも、同国と中国の間の地域協力の発展に寄与すると見られます。そして、イラン・中国間の通商関係の発展は確実に、両国に対するアメリカの制裁の影響を大幅に緩和できます。このことは、イランと中国が戦略的行動として追求する問題であり、制裁下にある他の国々にとっての適切な模範となりうるのです。