イラン外務省報道官、「ミュンヘン安全保障会議に決定的な打撃」
イラン外務省のキャンアーニー報道官が、ドイツで開かれたMSCミュンヘン安全保障会議を批判し、「同会議の主催者らは、その行動によって会議の信頼性に決定的な打撃を与えた」と述べました。
キャンアーニー報道官は、20日月曜の週次記者会見において、「MSCは”安全保障”を掲げて立ち上げられた会議であり、その点から、国際社会の全メンバーに対して、世界の秩序および国際的な安全保障について見解を述べる平等な機会を与えるべきである」と述べました。
続けて、「イランは、地域・国際的な安全保障を深めて堅固にする上で、重要になってくる国の1つである」と強調しながら、「イランやロシアといった重要な国々を同会議に招待しないことは、世界の秩序や安全保障をめぐってさまざまな見解や多極的視点が提示される機会を奪い、その上で、(紛争中の)一方の側、もしくは国際舞台で一極主義を強めようと目論む勢力に対してのみ、見解を示す機会を与えることを意味する」と説明しました。
一方、イランで84%濃度のウラン濃縮作業が行われているとした米ニュースサイト・ブルームバーグの主張に対しては、イランがNPT核兵器不拡散条約の締結によってIAEA国際原子力機関の保障措置も受け入れていることに言及し、「イランがIAEAと行う専門分野での協力は,、(同条約および保障措置の)重要な基本部分である。IAEA側にも、イランの平和的核活動の問題に関して専門的に行動することが望まれる」としました。
さらに、「IAEAは、政治的に利用されることで重要国際機関としての自身の専門的な権威が毀損される故、加盟国との専門分野における協力の原則・枠組みを守るべきである」と述べました。
その上で、対イラン制裁解除を目指す核協議の過程におけるIAEAの悪用は許されることではないとして、「ブルームバーグの主張こそ、IAEA悪用の最悪な一例と言える」と指摘しました。
また、シオニスト政権イスラエルが自政権所属の船舶にイランが攻撃を行ったと主張していることについて、その内容を否定し、「イランは、公海における航行の安全および自由の維持に向けた努力を続けるつもりで続けていくつもりである。この役割は非常に重要なものだ。わが国は、すべての国にとっての包括的安全を強調している国の1つである」としました。
そして、「他者の安全を危険にさらしたり、他国の安全を守ろうとしないような政権には、他を非難する資格などない」と強調しました。