視点
イラン孤立化政策の失敗示す、イラン外相と西側当局者らの会談
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、スイスでジュネーブ軍縮会議および国連人権理事会会合に出席する傍ら、西側諸国の当局者や複数の国際機関の長らと会談しました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は、グテーレス国連事務総長および、チャバ・コロシ国連総会第77期議長、フォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官、そしてフィンランド、アルメニア、ノルウェー、ベルギー、セネガル、チュニジア、ベネズエラ、インドネシアの各国外相らと会談しました。
イラン外相はさらにジュネーブで、同地にある国際人道支援機関の長である、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官、アントニオ・ヴィトリーノIOM国際移住機関事務局長、ミリアナ・スポリアリッチICRC赤十字国際委員会総裁、ラメシュ・ラジャシンガムOCHA国連人道問題調整事務所ジュネーブ事務所代表らと会談しました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はまた、ジュネーブ軍縮会議2023年本会議のハイレベル・セグメントに出席し、軍縮問題やそのほかの国際問題に関するイランの立場を説明しました。
同外相は今回のジュネーブ訪問でさらに国連人権理事会会合へも出席しました。
西側による反イラン的な政治・メディアでの働きかけおよびプロパガンダ戦にもかかわらずイラン外相と西側高官らとの数々の会談が行われたことは、ヨーロッパ諸国が反イラン措置に積極的に参加してきたものの現在は自らの失敗を理解し、そのために双方にとって懸念される問題に関しイラン高官らとの交渉継続を求めていることを示しています。
欧州当局者らが旧来の姿勢をやめて新たな立場を取りだしたことは、一方では彼らがイランでの暴動・不安扇動を望みなしと見たことが、他方では西アジア駐留欧州軍のテロ組織認定をめぐりイラン国会に2つの緊急決議案が提出されるなどの、イランの断固たる姿勢の表明が、その原因となっているようです。
国連高官に加えてアミールアブドッラーヒヤーン外相と会談したヨーロッパ各国の当局者らは、同外相との会談拒否を求める海外の反イラン革命分子の呼びかけを公然と無視しました。実際に、ヨーロッパや西側諸国全体は、イランとの対話チャンネル閉鎖が自らの利益に沿わないこと、さらにイランが西側に彼らに譲歩するつもりがないことを認識しています。
ここで重要となるのは、アミールアブドッラーヒヤーン外相がこれらの会談や人権理事会会合での演説でイランの立場を説明し、同時に西側による反イラン的陰謀を暴露したことです。同外相は、人権理事会会合の傍らで行ったトゥルク国連人権高等弁務官との会談で、この分野において同高等弁務官が示したいくつかの指摘に答えながら、「人権理事会は、その主とする使命から遠ざかり、西側諸国の政治的道具に成り下がっている」と強調しています。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はまた、残虐で非人道的な制裁行使により米国がイラン国民に対して犯している人権侵害のさまざまな面についても指摘しました。
注目すべきは、米国でさえ、以前はイランとの核合意復活交渉を放り出し同国での不安扇動に熱をあげてその体制の弱体化を期待していたものの、今ではこの策略への望みを失い、そこから、イランとの交渉の必要性について再度語りだしていることです。ブリンケン米国務長官は、「前向きな外交への扉は常に開かれている。多くの事柄は、イランが何を語りどう行動するのか、そして彼らが協力するどうかにかかっている」と主張しています。
これらの主張は、米政府が2018年5月に一方的にイラン核合意から離脱したにもかかわらず行われています。オーストリア・ウィーンにおいて数年かけて制裁解除を目指す協議が行われている中で、アメリカは、核合意内責務履行の再開に対して合意内容保障や制裁解除を充てるというイランの論理的で法にかなった要求に対し、真っ当な対応を今だに見せずにいます。