イラン軍統合参謀本部議長、「欧州は米の退行に付き合うべきでない」
イラン軍統合参謀本部のバーゲリー議長は、アメリカが退行・後退の道をたどっていると強調し、「欧州やその他の国も盲目的にアメリカに追随するならば、ともに凋落することになる」と述べました。
バーゲリー議長は10日水曜、テヘランにて「世界の絶対的な指導者を担うという試みは失敗に終わった」とし、その兆候を、イラクやアフガニスタンからの米軍の逃避的な撤退、西アジアにおける米軍駐留の著しい減少、同地域や南シナ海、西欧における米軍の混乱ぶりに見ることができるとしました。
バーゲリー氏はその上で、アジアや東側諸国はアメリカの強権主義に対して一致し、SCO上海協力機構のもとで結束しているとし、こうした国々が将来確実に世界の大国にのし上がると述べました。
また、シオニスト政権イスラエルについても、「かつてはナイル川からユーフラテス川の間を欲しいままにし、アラブ諸国との戦争に勝利してきたものの、現在は凋落の一途をたどっている」とし、反対に虐げられてきたパレスチナ国民や抵抗の枢軸が、その力を増し、パレスチナ解放の道に向かって成長していると述べました。
そして、「イランは欧米の駐留を地域にとっての害悪とみなしている」とし、パレスチナ国民の主権を正式に承認し、全力でこれを支援しているとしました。
またロシアとウクライナの戦争については、ロシアが欧米への信頼を捨て、NATO・北大西洋条約機構の東方拡大に抵抗するため戦争をも厭わず、一方ではアメリカがウクライナのインフラを壊滅させてでも戦争継続を主張しており、ロシアが緩衝地帯の設置を訴えていることから、容易に終わることはないとの見方を示し、欧州向けの物流・エネルギー輸送ルートが封鎖されていることで、ロシアのアジア重視につながっているとしました。