イラン外務省がデンマーク大使を呼び出し
デンマークの首都コペンハーゲンでイスラム教の聖典・コーランが冒涜されたことを受け、イラン外務省が同国駐在のデンマーク大使を呼び出しました。
スウェーデンの首都ストックホルムで20日木曜、イラク系スウェーデン人がこの数週間で2度目となるコーラン冒涜を行ったことに呼応し、デンマークの極右団体も、コペンハーゲンのイラク大使館前でコーランに火を付けるという行動に出ました。
国際通信イランプレスによりますと、イラン外務省のニーリーアフマドアーバーディー・西ヨーロッパ局長は、デンマークのイェスパー・ファール大使を呼び出し、イスラム教が神聖視する事物への攻撃はどのようなものであれ、世界のどの場所であれ非難されるものだとしながら、「ヨーロッパでのコーラン焼却は、無知蒙昧な中世時代の焚書を思い起こさせるものであり、西側で思考・思想の自由を脅かしている最たるものである」と述べました。
続けて、ヨーロッパ諸国の政府がその対処に消極的であることに触れ、「焚書は、思想の自由の終焉を意味するものであり、文化に対するこのような卑劣な犯罪に沈黙していることは、暴力やテロの助長という結果をもたらすだけだ」と指摘しました。
さらに、「イラン政府は世界中のイスラム教徒とともに、デンマーク政府に対して、このような陰惨な行動が繰り返されることを防ぎ、罪を犯した者たちを逮捕して厳罰に処すよう求める」としました。
一方のデンマーク大使は、このようなコーランへの不敬に遺憾の意を示し、「我が国の外相は、コーランへの冒涜行為をはっきりと非難し、これを恐ろしい行動だとしている」と述べました。
そして、他宗教に対する不敬は恥ずべき行為であるとし、「我が国の政府は、分断を生み出すこと以外に目的がないこのような恥ずべき行為とは一線を引いている」としました。