イラン外相、「核協議は全関係国の責務履行への完全復帰が目的」
(last modified Mon, 07 Aug 2023 09:01:48 GMT )
8月 07, 2023 18:01 Asia/Tokyo
  • 日本を訪問中のアミールアブドッラーヒヤーン・イラン外
    日本を訪問中のアミールアブドッラーヒヤーン・イラン外

日本を訪問中のアミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が東京で記者会見し、「制裁解除に向けた核協議の目的は、全ての関係国が核合意内責務の履行へ完全復帰することにある」と語りました。

イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は、「EUの仲介によって行われた協議や交渉は、すべての関係国が核合意内責務の完全な履行に戻るかどうかを見るものである」と述べました。

また、アメリカとの間接協議について触れ、「(互いの国で服役中の自国民の)受刑者交換は人道上の問題であり、イランはこの件をめぐり、昨年から米国側と間接協議を行ってきた」と説明しました。

 

日本を訪問中のアミールアブドッラーヒヤーン・イラン外

 

さらに、日本訪問および同国との関係について、「イラン現大統領の戦略では、非西側への注目が外交政策の主要優先事項の一つとされている。わが国はこの枠組みにおいて、友好国である日本との関係拡大を重視している」と語りました。

そして、「我が国と日本は、1000年以上前からの人や文化の交流関係、さらに90年以上にわたる公式外交関係といった大きな積み重ねがある。このような歴史的関係が、両国の協力のしっかりとした支えとなっている」と述べました。

ウクライナ問題については、「イランの常時変わらない原則的立場は、戦争は解決策にならないというものである」と強調しました。

その上で、「我々はこの戦争勃発当初から、最高水準、すなわち大統領級での努力を行い、戦争を停止させ当事者を政治的解決に向けた対話へ戻すことを第一義とし、その枠組みに沿って積極的に措置を講じてきた」と語りました。

 

日本を訪問中のアミールアブドッラーヒヤーン・イラン外

 

続けて、「今回の戦争と危機の主な根源の 1 つは、NATO北大西洋条約機構と同組織が行う挑発行為だと考えられる。我々は、戦争停止に向けて交戦する双方が政治的解決に集中できるよう、努力を続けていく」と述べました。

一方、イランがウクライナ戦争で使用される無人機をロシアに提供しているという疑惑を否定し、「ロシアとの防衛協力は元々、過去数年間の二国関係の中軸の一つであった。しかし、ウクライナ戦争での使用を目的にイラン製の無人機や兵器を我々がロシアに提供したことは一度もない。ロシア自身が世界最大の武器生産国および輸出国の一つであることは、既に万人が知るところである」と語りました。

続けて、「私は昨年、ウクライナ外相に対して、この件に関する証拠があればそれを我が国の軍当局に提示するよう、個人的に要請した。さらに我々は同外相と、自国の軍事代表団をポーランドに向かわせこの件に関してウクライナ軍当局と会談することで合意している」と述べました。

 

日本を訪問中のアミールアブドッラーヒヤーン・イラン外

 

また、「我々は、ウクライナ戦争のいずれの側の武装使用にも反対している。イランとしては、米国および西側諸国がウクライナに対し大規模な武器提供を継続していることこそ、ウクライナの治安悪化と情勢不安定化、そして同国でのさらなる殺戮と破壊の原因になっていると考えている」としました。

さらに、「アメリカと西側諸国は、イランに対する根拠のない非難をやめるべきである。私の考えでは、イランと日本はウクライナ紛争に関する立場は、戦争の停止と平和への注力において共通している」と語りました。

アミールアブドッラーヒヤーン外相は最後に、「日本の英語メディアであるジャパンニューズも、ウクライナ戦争で使用された軍事品のほとんどは西側諸国から調達されていると伝えていることを強調しておく。ウクライナでの戦争は、解決策になはらない。イランはこれまで、ウクライナ、アフガニスタン、その他の国々で起きたどの戦争においても、交戦国となったことはなく、また今後もそうするつもりはない」と結びました。

 


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