イランとユーラシア経済連合が自由貿易協定に署名
(last modified Wed, 27 Dec 2023 11:00:38 GMT )
12月 27, 2023 20:00 Asia/Tokyo
  • イランとユーラシア経済連合が自由貿易協定に署名
    イランとユーラシア経済連合が自由貿易協定に署名

イランのアリーアーバーディー産業・鉱業・貿易相が、ロシアのサンクトペテルブルクでEEU・ユーラシア経済連合の加盟国と会談し、同連合との自由貿易協定に署名しました。

イランのジャラーリー駐ロシア大使は、EEU加盟国との自由貿易協定署名が行われた後、「この協定は、西側の圧政的な制裁の効果を無くし、イランの通商グローバル化の素地となる」と述べました。

一方、ロシアのオヴェルチュク副首相も同国タス通信とのインタビューで、「イランとロシア、その他数カ国との間で自由貿易地域を形成する合意は、ヨーロッパの東端から中国にまでわたるユーラシアの広い地域をカバーする」と述べました。

この重要な文書の署名により、イランとEEUとの協力はさらに深まることになります。

ウクライナでの軍事作戦を口実に西側が対ロシア制裁を強化して以降、ロシア指導部にとって、イランをはじめとした地域諸国が特別な重要性を持つようになりました。ロシアは、それまでの貿易ルートが制限されたため、現在ヨーロッパ以外の市場を模索しています。

EEUは、2014年5月29日にロシア、ベラルーシ、カザフスタンにより署名された条約をもとに創設され、現在はこれにキルギスとアルメニアが加わった5カ国で構成されています。

イラン外務省のサファリー経済外交担当次官は、今回の署名に先立ち、「ユーラシアとの自由貿易拡大にあたり、我が国はまずアルメニアで活動を開始し、それから適切な貿易をロシアと行う予定である」と述べていました。

イランとアルメニア政府はこの数年で、地域の重要な諸機関の枠組み内での協力を見据えたうえで、重要な文書への署名を済ませています。

イランとEEUとの自由貿易協定文書は、集中協議の後、イランと同連合加盟5カ国により承認されましたが、その中では、両者の間で取引される貿易品の87%以上が関税免除になるとされ、その貿易に大きな変化が生まれることが見込まれます。

注目すべき点は、イランとEEU加盟諸国が、今回の協定の枠内で経済的に互いを補い合うことで、相互のニーズの大半を満たすことが可能だという事実です。

経済的な補完とは、EEU加盟国がイランに必要な品を提供でき、一方でイランも相手側が必要な品を提供できるという意味であり、特にイランとロシアが西側から無慈悲な制裁を受けており、それが他の加盟国にも波及している状況にあっては、これはイランとEEUとの貿易で得られる最大の利点と言えます。

両者間の貿易は、2019年から2021年にかけて倍増しており、協力が継続されれば、年々その数字は飛躍的に上昇していくと予想されます。

最後に、今回のイランとEEUによる自由貿易協定署名の意義をまとめれば、「相互協力文書が実施されれば、参加諸国間の貿易は毎年大幅に増加する。また、ロシアと中央アジアおよびコーカサス諸国は南北輸送回廊戦略にも参加しているため、EEU諸国の貿易の大半が地域的・国際的なトランジット輸送を通して行われることになり、それはこれらの地域の国々にとり重要な意味を持つ」と言うことができるでしょう。

 


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