イラン最高指導者が強調した女性に対するイスラムの論理的な姿勢
(last modified Thu, 28 Dec 2023 07:43:05 GMT )
12月 28, 2023 16:43 Asia/Tokyo

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、同国の女性たちとの会談で、女性が家庭や社会、政治などにおいて制約なく活動できるというイスラムの論理的・理性的な見方について語り、「イスラムでは、家庭と性的な誘惑の危険という2つの重要な問題を遵守すれば、女性たちが男性と同じようにあらゆる社会的活動に従事する道が開かれている」と述べました。

ハーメネイー師は27日水曜に開かれたこの会談において、「女性の権利と義務について、世界には西洋的な見方とイスラム的な見方という相反する2つの総体的なアプローチが存在する」としました。

社会における女性の自由や権利については、男性との身体的差異を理由に疑義がもたらされてきました。

これについては、イスラム的な見方と、フェミニズムのようなヒューマニズム的な見方の完全に相反する2つが存在します。西側世界で普及しているフェミニズムでは、男女の権利の差異は女性に対する性的差別であるとしています。なぜなら、男女の完全な平等こそが正義であり、いかなる差異もその正義の蹂躙であるとみなされるからです。一方、イスラム的な見方では、男女の絶対的な同一視は、むしろ女性に対する不正義をもたらすとされています。なぜなら、自然な性差の無視や異性との同一化は、女性のアイデンティティ喪失につながる身体的抑圧であると考えられているからです。

もうひとつ重要なのは、西側のフェミニズム運動がもたらした社会的な結果です。フェミニズムの支持者は、その運動の目的を女性に対する差別や抑圧、不平等、不正義の解消にあるとし、そのためにあらゆる社会構造をすべて変革することを求めています。しかし、西側世界で現実に起こっていることは、それとは違います。西側では依然として、不平等、不公正、暴力が女性たちを苦しめています。

西側の資本主義体制は、社会のすべてに浸透している男性優位文化と、差別を生み出す政治体制から利益を得ています。そして、広告産業やメディアを利用して、女性性を収益源とする特殊な文化的信仰を広めています。

こうしたことから、フェミニズムは女性の地位の向上を重視し、その他の特徴を無視するのです。フェミニズムの批判者は、「西側の女性はある程度自由は手に入れたが、自らの先天的な性質からはかけ離れてしまった。このことが女性のアイデンティティ喪失、ひいては混乱につながった」と主張しています。

反フェミニズム主義者のトニー・グラント氏は、「今日の女性は、ただ自立しただけのように見える。しかし、感情・情緒的にはむしろ彼女たちの母親や祖母の世代よりも依存的で不安定であり、孤独である」と述べています。

言うまでもなくフェミニズムおよび、それが西側世界で普及したことは、女性のアイデンティティやその身体的・精神的安全を確保するものを男女平等の名のもとに奪ってきました。言い換えれば、男女平等とされるものが実際には女性にとっての正義や権利を無視してきたということです。なぜなら、それは女性の生活・人生により多くの負担や圧力を強いるからです。

ハーメネイー師は、男女はその身体的・精神的能力の観点から異なる役割を持っているとし、「一部が絶対視する『性的平等』というスローガンは誤りであり、正しいのは『性的公正』である」との見解を示しています。

 


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