イラン最高指導者「イランの主戦略はソフトパワー」
イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、ソフトパワーが過去45年にわたってイランがとってきた戦略だとし、敵の能力に対応できる兵器の保有とともに、ソフトパワーの拡充も必要だと強調しました。
ハーメネイー師は3日、イラン市民との面会で、4年前のこの日に米軍による攻撃で殉教した革命防衛隊司令官のソレイマーニー氏との思い出を語りました。
ハーメネイー師はこの中で、ソフトパワーをハードパワーよりも効果的なものだとし、「だからこそアメリカは最先端の兵器を有しているにもかかわらず、メディアや芸術、文学、映画に投資している」と述べました。
ハーメネイー師は続けて、ハードパワーには限りがあり、いずれ底をつくものだとし、米軍のアフガニスタン撤退やイラクでの反米感情の高まりなどに触れ、「ハードパワーは両国における米軍の駐留を確実なものにはしなかった。しかし、ソフトパワーはパレスチナ国民のようなマイノリティとされる集団に世界の注目を集めさせることに成功した。これは、パレスチナ人の忍耐と抵抗がなせた業だ」としました。
そして、「ガザ市民は今、シオニスト政権だけでなく、アメリカなどの覇権勢力とも対峙している。米大統領が『私はシオニストだ』などと発言するのは、彼自身の中にシオニストの醜悪さや野望が存在するからだ」と述べました。
ハーメネイー師はまた、今年3月に予定されているイラン国会議員選挙についても言及し、「選挙は義務だ。選挙に反対する者はイラン・イスラム共和国に反対する者だ」と述べました。
その上で、イラン国民を独立・進歩・威厳を愛し、アメリカへの追従を嫌う国民だとし、「イラン国民がイスラム共和制を全面的に支持するのは、こうした価値観に共鳴しているからだ。いかなる勢力もイラン国民を後退させることはできない」としました。