イランの研究者らが、放射線療法副作用をブテインで軽減
2月 07, 2024 16:56 Asia/Tokyo
テヘラン大学付属IBB生化学・生物物理学研究所の研究者らが、食品機能性成分ブテインによって胃がんに対する放射線療法の有効性が高まり、最終的に同療法の有害な副作用を軽減させることができることを、研究により導き出しました。
胃がんは、罹患率が全体的に減少しているとはいえ世界で5番目に罹患数が多く、死亡原因としても3番目に多いがんです。
イランで行われた調査によれば、胃がんは皮膚がんを除いたがんの中で罹患数が多く、男性では首位、女性では第3位となっています。
放射線療法は、がん患者の約50%に対して行われているがん治療法の1つですが、この療法をめぐってはこの数十年、化合物を用いてがん組織に放射線が与える効果を高める研究が、常に行われてきました。
植物で生成される有機化合物のフラボノイド類は、これまでもがんの治療で利用されていますが、ブテインはそのひとつに分類されます。
この物質の作用としては、酸化、がん、糖尿病、炎症などを抑える働きが挙げられます。
イルナー通信によれば、IBBの研究者らが行った新たな研究において、胃がん細胞株に対する放射線療法とともにブテインを用いた結果、遺伝性の発がん細胞の破壊率上昇、がん細胞の殺傷率上昇、細胞増殖サイクルの混乱といった効果が確認され、さらなる研究によりブテインを放射線療法の増感剤として使える可能性があるということが分かりました。