視点;シャーイブラーヒーム解説員
イラン国民の団結象徴するノウルーズ
イラン暦1403年(西暦2024年)の新たな始まりとなった今年の春の新年ノウルーズ(今月20日)は、例年と同様にイラン各地を人々が旅行し、同国国民の団結を象徴するものとなりました。
ノウルーズは、古代イランの文化・習慣の中で重要な部分を占めており、近隣地域の他の国々も、歴史を通じてこの豊かなイランの文化を見本としてきました。ノウルーズは、イランの国民と諸民族を結びつけるものだと言えます。国連では「国際ノウルーズ・デー」が定められているほか、ユネスコでもノウルーズは正式に、人類の文化的・精神的遺産として登録されています。
イラン国民がノウルーズに毎年重要視していることは、この春の休みを利用しての自家用車、公共交通機関、飛行機、鉄道などを使った国中旅行です。イランの各都市ではノウルーズ休暇の間、ゲストハウスやホテルが降る稼働し、滞在する旅行がいない場所は、都市部だけでなく郡部でさえもめずらしいものとなります。
イラン暦1403年のノウルーズ旅行も、これまでにないほどの増加を見せ、数百万人もの人々が居住地を離れて国内各地へ旅行に出かけました。ノウルーズ旅行は、イラン人の文化と切り離せないものであり、特に宗教・歴史・文化的観光の中心地である各都市の人々は、この時季に訪れる旅行者のために歓待の準備を整えます。
イランのノウルーズ期間には例年、外国人観光客も大勢訪れ、各都市を旅することで、イランの他にはない文化・歴史・文明、自然に触れています。西アジア地域でも特別な地位にあるイランは、さまざまな国の観光客にとっても歴史的、宗教的、文化的な見どころにあふれています。外国人観光客の大半はイラン旅行の後、同国の観光地を訪れたことは貴重で再現不可能な経験であったと語っています。
ノウルーズ旅行は、常にイラン国民の団結向上の象徴であり、旅行者がイラン各地の人々のさまざまな文化を知る機会となってきました。ノウルーズ旅行客を迎える各地の人々は、ノウルーズ休暇の前に旅行者を最善のかたちで迎え入れるべく、州や市の担当者とともに大規模に準備を整えます。
ノウルーズは実際、イランのさまざまな諸民族が心を一つにする様を象徴しており、国内各都市を旅行・訪問することでイラン国民が文化的関係を強化して団結を示すほか、宗教的つながりも深めます。
ノウルーズ旅行客の多さは、各都市の経済成長にもつながり、国の経済にもプラスの影響を及ぼします。ノウルーズは、中小企業や職人にとっても、自社の製品を国内市場で販売し、それをもとに海外へ進出する絶好の機会となります。
ノウルーズは、国内旅行により国民の団結と文化的・民族的つながりが最高潮に達し、イランの敵による悪意あるプロパガンダやイラン国民の分断という陰謀を無力化する良い機会であり、複数の民族で構成されるイラン国民が、多種多様な文化を抱えながらも国を守る用意があり、いかなる状況でも同胞を放っておかないことを示しています。