イラン軍が米艦隊の接近を気に掛けない理由
(last modified Sun, 01 Sep 2024 10:08:32 GMT )
9月 01, 2024 19:08 Asia/Tokyo
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    イラン軍が米艦隊の接近を気に掛けない理由

米軍は現在、イランの海上国境付近に2つの空母打撃群を配備していますが、これは軍事的局面を示すというよりは、アメリカの時代遅れの戦略から出た一種の軍事的示威と解釈できます。

【ParsTodayイラン】アメリカ国家安全保障会議は、自国政府がイランの考えを予測できていないと明らかにしており、そのために同国は、抵抗の枢軸に対処しようとさらに多くの艦隊を派遣しています。そしてその規模は現在、これまでにほとんど例がないほどのものになっており、その中には、2つの空母打撃群も含まれています。空母打撃群は、アメリカの移動軍事拠点として世界の海域に配備されており、その航空戦力は、量と質の点からも世界上位20カ国のレベルに匹敵します。

米空母打撃群の構成は通常、空母1隻、巡洋艦1隻、駆逐艦4~6隻、攻撃型潜水艦1隻、補給艦1隻、打撃戦闘機44機を含む航空機75機、兵士7500人となっています。近年建造された米軍空母の大半は、自国の歴代大統領にちなんで命名されています。

 

米空母打撃群の構成


最新情報に基づけば、空母セオドア・ルーズベルトと空母エイブラハム・リンカーンは現在、オマーン海に配備されています。

セオドア・ルーズベルトには、ダニエル・イノウエ、ハルゼー、ジョン・S・マケインの駆逐艦3隻が、エイブラハム・リンカーンにも、フランク・E・ピーターセン・ジュニア、 スプルーアンス、オカーンの駆逐艦3隻が随伴しています。

 

世界各地における米空母配備図

 

ペルシャ湾に配備された米空母


このほか、米軍空母ドワイト・D・アイゼンハワーも紅海に配備されていましたが、今年6月22日にイエメン軍による攻撃を受けました。このような事態は、第二次世界大戦後の米軍には異例の事であり、同国は直ちに空母を紅海から引き上げたものの、発表では「情報は誤りであり、何も起きていない」としました。

イランの海上国境付近にはも現在、2つの空母打撃群が配備されています。ただしこれは、軍事的局面を示すというよりは、アメリカの時代遅れの戦略から出た一種の軍事的示威と解釈できます。

 

空母エイブラハム・リンカーン

 

空母セオドア・ルーズベルト


米軍の司令官たちは、イランの兵器が届く範囲を認識しています。イランの巡航ミサイル「アブー・マフディー」の射程は1000キロ超であり、「ハリージェ・ファールス」「ホルモズ2」の各対艦弾道ミサイルも、ペルシャ湾全域とオマーン海をその射程に含んでいます。

したがって、セオドア・ルーズベルトとエイブラハム・リンカーンの二つの空母打撃群は、もしイランと直接交戦をするつもりであれば、同国の海上国境から少なくとも1000キロ離れた場所に配備されていたことになります。

現在の軍事を取り巻く状況は、史上最も高額な装備が、イエメンの無人機のような最も安価な兵器にしてやられるようなものとなっています。そして、アメリカが描くような海上交戦のシナリオでは、イランや中国のようなミサイル大国が相手では、装備が大きければ大きいほど標的となり被害を受けやすくなるのです。

イランがイスラエル政権に行う可能性のある報復に対してアメリカができることは、総じて防衛となるでしょう。なぜなら、緊張レベルを高めてイランのペルシャ湾上もしくは国土深部を直接攻撃した場合、米軍空母はイランからミサイルの反撃を受けることになるからです。

 

引用元: 「イランから200キロ以内の距離にひしめく米艦隊」 2024年、ファールス通信

 

 


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