イラン最高指導者「米が求めたのは従順かつ反民主的、西洋的破廉恥にまみれたイランだった」
(last modified Thu, 09 Jan 2025 06:45:39 GMT )
1月 09, 2025 15:45 Asia/Tokyo
  • 中部ゴム州の数千人の市民らと面会するイラン最高指導者ハーメネイー師
    中部ゴム州の数千人の市民らと面会するイラン最高指導者ハーメネイー師

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は9日朝、1978年1月9日のパフラヴィー王朝独裁政権に対する同国中部ゴムの民衆蜂起の記念日に際して、同市の数千人の市民と面会し、「(革命以来)46年間にわたるイラン国民に対するアメリカの誤った政策と誤算は、この日の歴史的な蜂起を見誤った時から続いているものである」と語りました。

【ParsTodayイラン】ハーメネイー師は、1978年1月20日のカーター米大統領のテヘラン訪問と同大統領が当時のパフラヴィー朝イランを「安定の島」と表現したことに言及し、「カーター氏が米国にとって望ましいと考えていた1978年当時のイランは、外交では完全に米国に従属し、米国の利益を確保する存在であり、国内政策でも王政反対派や異論はことごとく弾圧された。経済面では石油輸出で莫大な収入があったが、極端な格差社会で、科学技術の面では遅れており、文化的にも国は腐敗し破廉恥も甚だしく、西洋かぶれで下品な文化が日々拡大していた」と述懐しました。

面会に出席者に向け手を振るハーメネイー師

 

ハーメネイー師はその上で「1978年1月9日の民衆蜂起は『米国が望んだイラン』を彼らの手から奪ったが、米国は依然としてそのイランを夢見ている。もっとも、カーター氏はその願望を抱えたまま墓場に行ったが、他の者たちも同じ運命をたどるだろう」とし、「1月9日の民衆蜂起がもたらした2つ目の教訓は、アメリカの誤算を明らかにし、米がイランの現実を理解できないことを証明したことだ」と語りました。

また、1979年のイスラム革命の勝利について、預言者ムーサー(モーセ)が古代エジプトのファラオの宮殿で育てられた逸話を引き、「偉大なるイスラム革命は、アメリカが眠り続けている間に、彼らの利益の堅固な要塞(=パフラヴィー朝イラン)の中から沸き起こった。このことは、古代エジプトの暴君ファラオが自分の家の中でモーセが養育され成長していることに気づいていなかったのと同じである」と述べました。

そして、「1月9日の後にイラク聖地ナジャフからイスラム革命の創始者ホメイニー師が発したメッセージとイラン国民への勝利の吉報は、同師が希望というものを極めて重視していたことの実例だ」とし、「ホメイニー師が革命運動の勝利の吉報をもたらしたあの日、イスラム革命が勝利し世界でもこの地域にイラン・イスラム共和国という強大で革新的な国家が台頭し、西側諸国の侵略や悪意ある思惑の多くを阻止することになるとは、一体誰が信じていただろうか? 西側諸国、さらには米ワシントンでアメリカ国旗が燃やされる日が来るとは誰が信じただろうか?」と述べました。

また、イランが欧州諸国とは国交を結び、大使館も稼働している一方で、米国とは交渉しない方針を貫いていることについて「1979年の革命前のイランは米国の支配下にあった。イスラム革命によってイランの莫大な政治的、経済的な富がアメリカという鎖から解放された。このため、イラン革命に対するアメリカの憎悪は並々ならぬもので、この点はヨーロッパ諸国とは大きく異なっている」と語りました。

面会には様々な階層の市民が出席した

 

ハーメネイー師はまた、イラン国民に対する米国の誤った無効な政策のひとつとして制裁を挙げ、「米は制裁を通じてイラン経済の崩壊を狙ったが、イラン国民は制裁を受けている間に科学技術の分野で大きな進歩を遂げ、様々な分野で働く意欲にあふれた若者たちが表舞台で活躍している」と述べました。

そして、イランが世界平均を上回る高度な人材や天然資源といった価値ある恩恵に恵まれ、地政学的にも重要な位置にあるとし、イランが世界における戦略上の頂点に君臨していると強調しました。

子供から大人まで様々な年齢層の市民が参加した

 

ハーメネイー師はアメリカの戦略について「米国は物理的力では目標に近づけないことを理解している。ガザであれだけの人命を奪っても、抵抗運動を壊滅させることはできなかった。ナスロッラー氏のような幹部を殺害しても、ヒズボッラーそのものを無にすることはできなった。そのため(敵は)情報戦のようなソフトで戦わざるを得なくなっている」と述べました。

面会に出席したゴム市の女性たち

 

ハーメネイー師は西アジア情勢について「シリアを含む地域情勢によりパレスチナ問題がかすんでしまってはならない」と強調し、「抵抗勢力の主な源泉は、シオニスト政権イスラエルの悪意ある行動への抵抗にある」と述べました。

そして「抵抗勢力が存続し、日々強まっている」ことを強調し、「我々はガザ、ヨルダン川西岸、レバノン、イエメン、そしてイスラエルに立ち向かい抵抗するあらゆる場所の抵抗勢力を支持する」と結びました。

 


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