イランはどのようにウランを入手しているのか?
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イランがウランを入手する方法とは?
ウランの採掘・処理の分野における最近の情勢変化は、イランが平和利用を目的とした核燃料サイクルの分野の独立国としての地位を確立しつつあることを物語っています。
近年、イランはウラン供給網を海外依存から自給自足に転換しようと努めています。この転換は、西側諸国による制裁への対応としてだけでなく、核燃料サイクルの安定化に向けたイランの長期戦略の一環でもあります。
【ParsTodayイラン】この記事では、イランがどのようにウランを入手しているのかという疑問に答えていきます。
革命前の状況
1979年のイスラム革命以前においては、イランはフランス企業ユーロディフへの参加と合弁会社ソフィディフへの投資を通じて、ウラン需要の一部を輸入しようとしていました。しかし、多額の投資にもかかわらず、フランスはイスラム革命後、イランへのウラン供給を拒否したのです。このフランスの行動により、イランは平和利用のための国内ウラン資源の開発に重点を置くようになりました。
国内における可能性
イラン原子力庁のデータ及び地質学的研究によりますと、イランは中部ヤズド州、南部ホルモズガーン州、何乙部ケルマーン州、北東部ホラーサーンラザヴィー州、東部・南ホラーサーン州、北西部・東アーザルバーイジャーン州、西アーザルバーイジャーン州、南部ファールス州、西部ロレスターン州などの地域に豊富な天然ウラン埋蔵量を保有しています。特に国内で最も重要なウラン採掘拠点としてはヤズドのサーガンド鉱山やホショミ鉱山、南部バンダル・アッバースのギャチン鉱山などの稼働中の鉱山が挙げられます。
インフラ開発
イラン原子力庁のキャマールヴァンディ報道官の公式声明によりますと、イランのイエローケーキ生産能力は年間約40トンとされています。これは、南部ブーシェフルの原子力発電所と研究炉の燃料供給に十分な量です。しかし、イランは2022年以降、12の新たな鉱山の掘削を開始しており、年間生産量を71トンに増やすという目標を設定しています。
自給自足
イランがウラン確保の自給自足を目指しているのは国際的な規制への対応としてのみならず、核燃料サイクルの安定化に向けた長期戦略の一環でもあります。このプロセスにより、イランは外国の供給源に依存することなく核開発計画を推進できる立場に立つことになります。イランは常に、原子力の平和利用を重視してきました。