BRICSは一極主義傾向に対抗する上で重要な主導的役割をどう果たせるか?
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BRICS臨時オンラインサミットで演説するペゼシュキヤーン・イラン大統領
ペセシュキヤーン・イラン大統領が、オンラインによるBRICS新興経済国グループ臨時首脳会合において、「BRICSは一極主義という憂慮すべき世界の傾向に対抗する上で、極めて重要な主導的役割を果たせる」と強調しました。
ペゼシュキヤーン大統領は8日月曜、世界情勢に関する臨時オンラインBRICS首脳会合において、経済環境と多国間システムの現状に焦点を当て、「現在の国際体制を再構築するには、国連安保理の構造と機能の見直しから国際金融・通貨システムの改革に至るまで、グローバルガバナンス構造の抜本的な改革が必要だ」と語りました。「この方向性において、BRICSなどのグループやグローバル・サウス(南半球に多い新興国・途上国)の他の機関は、多極的で民主的かつ公正な体制組織、特に発展途上国をはじめとする全ての国の声が届く体制への移行を導く特別な責任を負っている」と述べています。
また「現代の国際体制での正義と安定に対する最大の脅威の一つは、一極主義的な行動の増加および、手段としての制裁の行使である」とし、「こうした政策は独立国の国益を脅かすだけでなく、国際協力を阻害し、持続可能な開発を不可能にしてしまう。このような環境において、BRICSはこの憂慮すべき傾向に立ち向かう上で極めて重要な主導的役割を履行できる存在であり、また履行すべきである」とコメントしました。
BRICSは世界規模での一極主義に対抗する上で、非常に重要かつ多面的な役割を担っています。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、そしてイランを含むこの新興経済国グループは近年、国際体制を一極主義から多極主義へと移行させることに努めています。
BRICSは国際協力と国連法規の尊重を重視し、一部の大国による一方的な政策に反対しています。またこのグループの加盟国は、IMF国際通貨基金や世界銀行などの機関の改革を呼びかけるとともに、代表としての発展途上国の地位向上を求めています。
さらに、BRICS新開発銀行(NDB)の設立も、西側諸国の金融機関への依存を減らすための重要な足がかりだといえます。NDBは、西側諸国の金融機関が通常的に課す政治的条件に縛られることなく、加盟国内外のインフラプロジェクトに資金を提供します。
BRICSはまた発展途上国間の通商拡大により、西側諸国の経済的優位性を制御することに寄与しており、こうした協力には、貿易協定、合弁事業、技術交流などが含まれます。BRICS加盟国は、国際会議において発展途上国の発言力を強化し、世界的な意思決定におけるより公平な環境の確保を求めています。
米国と西側諸国による一方的な行動や一極主義に対抗する上でのBRICS諸国間の政治、経済、文化協力の重要性は、いくつかの重要な分野において検証できます。この協力は、加盟国の自立性の強化に加えて、多極化した国際体制の形成においても重要な役割を果たしているのです。
BRICSは国連安保理などのグローバルガバナンスの構造改革を強調するとともに、国際レベルでの公平な権力分配を求めています。BRICS加盟国の中でも、特にロシアは西側諸国から不当な制裁を受けてきており、BRICSは代替メカニズムの構築により制裁の影響の軽減に努めています。
BRICSは文化、メディア、教育の各分野での交流を通じて、西洋の文化的支配に抵抗しています。西側メディアはしばしば自前の見解を広めていますが、BRICS諸国の独立系報道機関は、あくまでもより多様な世界観の伝播に努めています。BRICSは単なる経済同盟ではなく、力と見解が少数の特定の国に独占されない国際体制を再構築するための、政治・文化的プロジェクトだといえます。
イラン・イスラム共和国は、様々な分野における経済・文化力に基づき、BRICS諸国との包括的な関係拡大を目指すと考えられます。BRICS諸国は、自らが持つ広範な経済・文化・人道的可能性に基づき、米国および西側諸国の一方的な政策や行動に対抗できるのです。