カザフスタンとイラン、目標貿易額は20億ドル
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イランと中央アジア・カザフスタンが、相互間貿易額を20億ドルに増やすことを計画しています。
(last modified 2025-12-13T11:23:20+00:00 )
12月 13, 2025 20:19 Asia/Tokyo
  • ペゼシュキヤーン・イラン大統領(左)とトカエフ・カザフスタン大統領(右)
    ペゼシュキヤーン・イラン大統領(左)とトカエフ・カザフスタン大統領(右)

イランと中央アジア・カザフスタンが、相互間貿易額を20億ドルに増やすことを計画しています。

【ParsTodayイラン国際】アゼルバイジャン首都バクーに本拠地を置く中央アジア・コーカサス関連サイト、カスピアン・ポスト(Caspian Post)は13日土曜、ペゼシュキヤーン大統領のカザフスタン訪問とその成果に関する記事を掲載しました。この記事では重要な点、特に両国が設定した20億ドルの貿易額という達成目標について論じており、以下にこれについて述べていきます。

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領とイランのマスウード・ペゼシュキヤーン大統領は今月11日、カザフスタン首都アスタナで開催された「イラン・カザフスタン・ビジネスフォーラム」に出席しました。この会合では両国間の経済・戦略関係の強化が強調され、双方の政府高官や経済活動家らが貿易、投資、運輸、農業、技術協力などについて議論しました。

貿易・投資関係

トカエフ大統領は演説で、二国間貿易の着実な成長を強調するとともに、「昨年におけるイラン・カザフ間の貿易額は3億4000万ドルを超え、今年は数倍もの増加が見込まれる。当初の目標貿易額は10億ドルだが、最終的には20億ドルに引き上げたい」と語りました。また、テヘランに「カザフスタン貿易会館」が開設され、カザフ製品のイラン市場への安定供給が確保されることにも言及しています。ちなみに、イランは過去20年間でカザフスタン経済に2億2600万ドル以上を投資しており、350社以上のイラン企業がカザフスタンで活動しています。

地域的連結性の新たな段階

トカエフ大統領はさらに、「今後の協力の焦点は運輸と物流である」とし、重要な利点としてカザフスタンの地理的優位性を挙げました。また、中国と欧州間の貿易の85%がカザフスタンを経由していることを指摘し、「イランは地域的連結性発展の主要パートナーである」としています。加えて、ペルシャ湾に面した南部シャヒード・ラジャーイー港における物流ターミナル建設や、カザフスタン南西部アクタウ港およびカスピ海東岸クリク港とイラン北部マーザンダラーン州アミーラーバード港およびギーラーン州アンザリー港との接続強化、といったプロジェクトが提起されました。さらに、南部バンダル・アッバースおよび南東部チャーバハールとの協力、そして中央アジアとペルシャ湾を結ぶ複合輸送回廊の開発も優先事項に掲げられています。トカエフ大統領はまた、カザフスタン・トルクメニスタン・イラン鉄道の重要性を指摘し、この鉄道が2030年までに貨物量を倍増させる可能性があると指摘しました。

発展の軸としての農業

イランは、カザフスタンの穀物の主要な輸入国の1つとなっています。昨年の農産物貿易額は2億2000万ドル、今年は最初の10ヶ月だけで穀物輸出額は2億8000万ドルに達しました。イランのソリコ食品産業ホールディングスによる20万トンの生産が可能な乳製品工場の建設や、カザフスタンでのベビーフード生産といった共同プロジェクトが提案されたほか、イランのクーロシュ・フード社も、カザフスタンでの植物油生産と養鶏への投資を計画しています。トカエフ大統領は、イランの起業家らに対し、カザフスタンでの共同プロジェクトや近代的な生産ユニットの立ち上げを呼びかけました。

カスピ海の保護・保全

トガエフ大統領は、カスピ海の水位低下を「地域の環境と経済に深刻な影響を与える緊急の危機である」と指摘し、沿岸5カ国間の緊密な協力と国際機関のさらなる関与を求めました。なお、カザフスタンは、テヘランで開催される第7回カスピ海サミットへの参加を予定しており、今後2年以内に第4回「カスピ海経済フォーラム」の開催を提案しています。

歴史と未来を基盤としたパートナーシップ

ペゼシュキヤーン大統領は、「今回の会合はイランとカザフスタン両国民の歴史的な絆の象徴であり、経済関係強化に向けた一歩である」と強調しました。また、民間部門による取り組みとして、カスピ海における共同海運コンソーシアムの設立、カザフスタン・アクタウ港湾における農産物流通センターの設立、同国での共同食品生産・包装工場の設立、カザフスタン・アルマトイにおけるイラン建設資材輸出パークの設立、鉱業・加工分野における協力を挙げています。加えて、イラン・カザフスタン合同貿易評議会の設立、両国間の直行便の就航、商用ビザ発給の円滑化、共同展示会の開催といった事案も提起されました。

最後に、イランとカザフスタンの両大統領は、両国が協力の新たな段階に入ったことを強調しました。貿易、物流、技術、農業、環境保護における共通の目標は、長期的なパートナーシップの基盤となります。またこの協力により、両国の交易額は20億ドルに増加し、地域における両国の地位の強化にもつながりうるのです。

 

 


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