イランと中央アジアの関係拡大:ユーラシア同調への架け橋
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ペゼシュキヤーン・ イラン大統領が、中央アジア・カザフスタン及びトルクメニスタンの当局者の協議・会談を目的に、これら2つの国を訪問しています。
(last modified 2025-12-10T09:52:47+00:00 )
12月 10, 2025 18:08 Asia/Tokyo
  • カザフスタン及びトルクメニスタン訪問に出発するペゼシュキヤーン・イラン大統領
    カザフスタン及びトルクメニスタン訪問に出発するペゼシュキヤーン・イラン大統領

ペゼシュキヤーン・ イラン大統領が、中央アジア・カザフスタン及びトルクメニスタンの当局者の協議・会談を目的に、これら2つの国を訪問しています。

イラン大統領府のモハンマド・メフディ・サナーイー政務担当副長官は、ペゼシュキヤーン大統領が2日間にわたりカザフスタンとトルクメニスタンを訪問することを明らかにし、「X」において「ペゼシュキヤーン大統領は10日水曜、2日間のカザフスタン・トルクメニスタン訪問に向けて出発した」と投稿しました。

ペゼシュキヤーン大統領は、カザフスタンで同国高官との公式会談を行う予定です。これについてサナーイー長官は、「今回のカザフスタン訪問の日程には文書への署名や通商会議への参加も含まれている」と述べました。また、ペゼシュキヤーン大統領は、トルクメニスタンで開催される平和・信頼醸成サミットへの参加に加え、同国の様々な高官とも会談することになっています。

経済・貿易、政治・安全保障、文化・社会の様々な側面におけるイランと中央アジア諸国との協力は、戦略的に重要とされています。

また、イランと中央アジア諸国との協力拡大は経済・エネルギー分野のみならず、戦略的側面においても重要であり、外国からの干渉に対抗し、地域の安全保障を強化する上でも不可欠です。中央アジア諸国との関係拡大により、イランは極東アジアと西アジアを結ぶ重要な架け橋となり得ます。

さらに、中央アジア諸国は経済・通商面において、イランにとって重要な貿易・輸出の機会を提供しています。加えて、イランは中央アジア諸国の石油・ガス輸出にとってペルシャ湾とオマーン海に到達する適切な中継ルートとなり得ます。

イランとカザフスタン、トルクメニスタンとの関係拡大は、ウズベキスタンやキルギスといった地域諸国との協力関係の発展につながると考えられます。イランは中央アジア諸国とインフラ整備プロジェクト、鉄道・道路網、農業、軽工業の発展にとって優れた可能性を有しています。

加えて政治・安全保障面では、イランとカザフスタン、トルクメニスタンとの緊密な協力は、外国の影響力を低減するための共通戦線の構築の助けとなる可能性があります。イランと中央アジア諸国は、テロ、麻薬密売、国境危機といった課題に直面しており、安全保障と情報協力は、これらの脅威を封じ込めるための良好な基盤を打ち立てるものです。

そして文化・社会面でも、イランと中央アジア諸国は言語、宗教、文明の面で深いつながりを有しており、文化、学術、観光面での協力促進が予想されます。文化・学術会議の開催やペルシャ語の普及促進は、イランと中央アジアの文化機関間のより緊密な連携にもつながるものです。

このほか、イランがSCO上海協力機構において加盟国として積極的に活動し、EAEUユーラシア経済連合とも盛んに交流していることから、中央アジアとユーラシアの地域関係におけるイランの立場が強化されることになります。

今回のイラン大統領によるカザフスタンとトルクメニスタン訪問は、イランと中央アジア地域諸国との関係においての転換点となると考えられます。この訪問は、地域における二大重要国との二国間関係の強化につながるとともに、中央アジアの地政学的情勢へのさらなる積極的な関与というイランの決意を明確に示すと思われます。

さらに、ペゼシュキヤーン大統領の今回の訪問は、イランが中央アジア諸国との重層的な関係深化を目指していることを物語っています。この関係は、安全保障の強化、経済発展、文化的影響力の拡大、そしてユーラシアにおけるイランの地政学的地位の向上につながる可能性があります。今回の中央アジア訪問は、イランと中央アジア諸国の関係に新たな局面をもたらすことが考えられ、その影響は中央アジア地域のみならず、ユーラシア地域全体にも波及すると予想されます。

 

 


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