イランが平和目的によるウラン濃縮の権利を主張する理由とは?
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アリー・バフレイニー在スイス・ジュネーブ国際機関イラン大使兼常駐代表
イランが、平和目的によるウラン濃縮の権利を決して放棄しない旨を表明しました。
【ParsTodayイラン国際】アリー・バフレイニー常駐代表は20日火曜、軍縮会議の会合において、「イランとして平和目的によるウラン濃縮の権利を決して放棄しない」と述べています。また、イランの核施設に対する昨年6月の米国とシオニスト政権イスラエルによる攻撃を非難し、「これらの行為は国連憲章および国際法に対する公然たる違反であり、NPT核兵器不拡散条約への深刻な打撃である」と語りました。
さらに、2025年の情勢について言及し、イスラエル政権が同年6月13日にイランの領土保全と政治的独立を攻撃したことを「違法で計画的であり、国際法の絶対的法規範に違反する」としました。加えて「この攻撃に続き、6月22日に米国はNPT非加盟政権と共謀し、わが国の中部フォルドゥ、ナタンズ、イスファハーンにある保障措置下の核施設を攻撃した。これは世界平和と安全保障、そしてNPTに基づく核不拡散体制に対する深刻な脅威である」と付け加えています。
そして「イラン、いかなる侵略行為に対しても国連憲章の枠組み内で対応する。平和目的によるウラン濃縮は、NPT加盟国であるイランにとって議論の余地のない、否定できない権利であり、決してそこから逸脱することはない」と強調するとともに、「イランは常に、前提条件なしに相互尊重に基づく真の交渉に応じる用意がある」と強調しました。
イランが平和的ウラン濃縮の権利を主張する根拠は、一連の法的原則、戦略的必要性、歴史的経験、そして安全保障上の配慮にあります。そして、これは決して一時的な要求ではなく、国際舞台におけるイランの法的・政治的アイデンティティの一部とされています。しかし、対照的に西側諸国は、イランの核開発計画が軍事目的に転用されかねないとの主張により、イランのこの権利を制限しようとしてきましたが、これは国際法と技術的現実の観点からは到底受け入れられない主張です。
イランが濃縮の権利を主張する理由の一つは、NPTに基づく加盟国の法的かつ明白な権利を論拠としています。同条約は「すべての加盟国は、平和目的のためにウラン濃縮を含む完全な核燃料サイクルの実施の権利を有する」と明確に規定しています。NPT加盟国であるイランはこの権利を享受しているとともに、長年にわたりIAEA国際原子力機関の厳格な監視下で活動しており、イランの核計画に平和目的以外への逸脱は見られていないことが繰り返し確認されています。したがって、イランのウラン濃縮に反対することは、事実上NPT加盟国の権利に対する明白な侵害だと言えます。
もう一つの理由は、イランがエネルギーを切実に必要としており、エネルギー源の多様化が求められていることです。イランは人口が多く、エネルギー消費量も増加していることから、化石燃料だけに頼ることはできません。原子力エネルギーは、将来に向けて最も持続可能かつ経済的な選択肢の1つです。さらに、イランは広範な制裁に直面しており、発電所の燃料供給を外国に頼れない状態にあります。核技術を有する国が一部諸国との核協力を打ち切ったり、西側諸国からの政治的圧力を受けたりした経験から、エネルギー分野での対外依存は圧力の手段となり得ることが分かっています。したがって、国内での燃料生産は戦略的に不可欠なものとなります。
そしてその他の理由としては、科学技術の自立性の問題が挙げられます。イランは数十年にもわたる努力、出費、そして外的圧力のもとで独自の濃縮技術を確立しました。この成果を断念することは、恒久的な対外依存と科学面での後進性に甘んじることを意味します。西側諸国もまた、ウラン濃縮がイランの技術的自立の象徴であることを熟知しているからこそ、それを制限しようとしているのです。
対照的に、西側諸国は濃縮に反対する一連の口実を並べています。その最も重要な主張は、イランの核計画が核兵器製造に転用される可能性があるというものです。IAEA国際原子力機関が数十もの公式報告書で「軍事転用の兆候はない」と強調しているにもかかわらず、この主張は今なお幅を利かせています。イランはまた、NPTに定められた義務をはるかに超える、最も広範な査察を受け入れています。したがって、イランの核計画に軍事転用の危険性ありという主張には、技術的および法的裏付けが欠如しています。
2番目の口実は、イランに対する西側諸国の政治的不信感です。この不信感は、技術的な問題よりは地政学的な違いに根ざしたものです。シオニスト政権イスラエルと一部の西側諸国の政府は、イランの科学力と包括的な独立性を懸念し、核兵器制限を設けることでイランの戦略的力を封じ込めようとしています。しかし、このアプローチは違法であるのみならず、国際法における国家間の平等の原則にも反するものです。
結論として、イランがウラン濃縮の権利を主張しているのは決して一時的な政治的立場ではなく、法的権利の擁護、エネルギー分野の自給自足、科学技術の進歩、そして西側諸国のダブルスタンダードへの挑戦ということになります。過去の経験が示すように、この分野で後退すれば、米国を筆頭とする西側諸国からの圧力と敵対的な行動に拍車がかかるだけです。一方、正当な核の権利、特にウラン濃縮の権利を主張することは、イランを独立した法を遵守する主体として確立することにつながるのです。

