本日のトピック:イランのサウジアラビア外相の発言への反応
(last modified Thu, 01 Sep 2016 12:01:13 GMT )
9月 01, 2016 21:01 Asia/Tokyo
  • 本日のトピック:イランのサウジアラビア外相の発言への反応

中東地域では、およそ10年前から衝突が発生している地域です。

IRIB通信解説員

一部のアナリストによりますと、アラブ諸国の情勢不安は抑制できなくなっているということです。この状況が続けば、地域のほかの国の国民や、世界の平和と安定にとって、危険な結果が生じることになります。しかし、この状況の発生に、どのような要因が影響を及ぼしているのでしょうか。

地域の政権の多くの圧政や腐敗、政治的・社会的エリートの混乱、宗派間や民族間の衝突の拡大、これらは政治、安全保障の不安定化の主な要因です。

一方、タクフィール主義のテロ組織ISISが宗教の名目で暴力の種をまき、その結果、アメリカの地域への大々的な干渉もまた、現在の状況の発生に影響を及ぼしています。

さらに、別の要因として、2001年のアメリカ同時多発テロの後の一連の変化、つまり、テロ対策のための連合という見せ掛けの行動による、西側の新たな干渉政策をあげることができます。

政治の世界では、戦争や衝突、危機を生じさせることはできても、必然的にわれわれが望むような形で終わらせることができない、という原則が存在します。これは、地域のバランスに変化を生じさせようとする、サウジアラビアの行動に一致しています。サウジアラビアはイラクのサッダームフセインにイランに対する侵略戦争を奨励する中で、大きな役割を果たしました。イラクはイランとの戦争を開戦し、西側陣営と東側陣営からの支援を得ました。サウジアラビアに導かれている、イランの近隣の湾岸諸国も、イラクの数十億ドルの兵器の代金を支払いました。しかし、この戦争を開始した人物の期待通りの結果にはなりませんでした。

サウジアラビアのイエメン攻撃でも、同じような誤りがあることは明らかです。

サウジアラビアは石油を利用して、イランに対する経済戦争を始めようとしました。石油価格における危機は、サウジアラビアが政治的な目的ではじめたものでした。しかし現在、サウジアラビア自身がこの危機から脱出することができていません。一方で、サウジアラビアは、この危険なゲームを続けることにこだわっています。最近のサウジアラビアの政府高官の各国訪問は、このために行われています。

サウジアラビアのジュベイル外務大臣は、中国・北京で、イランを非難する繰り返しの主張を行い、イランは地域で情勢不安を広げているとしました。

イラン外務省のガーセミー報道官は、31日水曜、ジュベイル外相の発言に反応し、「サウジアラビアの政府高官は明らかな戦略的な誤りのために、テロへの関与や、シリア、イラク、イエメンでの罪のない女性や子供の殺害に手を染めている。サウジアラビアは無駄な繰り返しの主張を行うのではなく、自国のやり方を改めるよう考えるべきだ」と語りました。

地域情勢や、サウジアラビアによって作りだされた危機からわかるのは、地域諸国が情勢不安を作り出すサウジアラビアの誤りによって、深刻な被害を受けていること、そして、一部の国では騒乱や衝突に巻き込まれているということです。中東地域は、このような破壊や大量虐殺、難民化が発生する地域ではありませんでした。しかし、一部の地域諸国の誤りによって、目的を達成しようとする、シオニスト政権イスラエルのみが勝者となっています。

サウジアラビアは、テロや、イエメンの子供の殺害など、最も恐ろしい行為に手を染めていることを隠蔽しようとしていますが、現在、世界の人々は、サウジアラビアの政権の扇動行為とワッハーブ派の教義が、サウジアラビアの政治生命の重要な要因になっていることを知っているのです。