イランの観光の魅力
北西部タブリーズ市内・イルゴリー公園
イルゴリー公園は、別名シャーゴリー公園とも呼ばれ、イラン北西部タブリーズ市の中心部から7キロ南東に離れた、この市の最も重要な観光名所の1つです。
ゴルとは、トルコ語でプール、または水を貯めておくところや、池を意味します。この水を貯める場所の建設は、14世紀から16世紀に掛けて栄えたテュルク系の白羊王朝時代、そしてその拡張はサファヴィー朝時代とされています。
この公園は、サファヴィー朝が成立する前まではタブリーズ市の東部地域の庭園に水を供給する最大の水の備蓄場所とされていました。サファヴィー朝時代には現在の湖の内部の砂利の全てが取り除かれ、その周りに石製の壁が建てられました。
ガージャール朝時代には、石で出来たプールの周りに、通行を目的とした幾つもの道が造られ、これらの通路の近隣には何列にも登るポプラや柳といった樹木などが、散策場所としての装飾と公園内の空気の浄化を目的に植えられました。また、パフラヴィー朝時代には、タブリーズ市長に委託され、一般向けの散策場所となりました。この公園のプールの中央には、八角形の建物があり、現在では歓待用の広間として使用され、イルゴリー公園の宮殿として知られています。
ガージャール朝の王アッバース・ミールザーの8番目の息子ガフラマーン・ミールザーも、この建物にさらに修正を加えて完成度を高め、これをガージャール朝の宮廷人のための王宮散策場としました。
イル・ゴリー公園内の湖
イル・ゴリー公園内の湖は、面積が5.5ヘクタール、容積が72万立方メートルにも及びます。この湖は、その大きさと壮観さにより、大きな湖を意味するシャーゴリーと命名されましたが、1979年のイラン・イスラム革命後は、人々の湖を意味するイル・ゴリーと改称されています。
この公園の湖の南側の部分は、比較的高台にあり、樹木が植えられているとともに、いくつもの人工の滝がこの丘から公園内の湖に注いでいます。さらに、湖の南辺からその中央部、そしてイルゴリー宮殿までは道が出来ており、この宮殿の建物はさながら半島のような形状となっています。
この湖は、冬には凍りと水が混合した美しい景観を呈します。湖面が凍結する時期には、この湖に住む魚は湖面に出て来れないため、成長が遅れます。この湖の水深は12メートルで、周辺ではボート乗りも行われます。さらに、この散策場の敷地内には、複数の宿泊施設や遊園地も設けられています。