一日一冊、本の紹介(16)
シーア派初代イマーム、アリーの生涯については、歴史的な資料の中に多くの情報が存在します。
イスラムの歴史家たちは、、預言者ムハンマドが亡くなった後、イマームアリーの生涯について最も多くの記述を残しました。イマームアリーの人格は、シーア派とスンニ派を含むすべてのイスラム教徒にとって、政治、宗教、イスラム法、精神性の点で重要性を有し、イマームアリーに関して、数多くの書籍が執筆されています。これらの本は、預言者とともに生きたこの偉大なる人物の輝かしい生涯を扱ったり、彼の英知に溢れた言葉を集めたりしたものです。
その中で最も新しいものに、「イマームアリーの英雄伝」という本があります。この本では、イマームアリーが生まれてから殉教するまでの全生涯が、非常に包括的に描かれています。この本は、詩的な表現で書かれた、イマームアリーの最も完全な伝記と考えることができます。この本の詩のすべてに、戦争から説教にいたるまで、イマームアリーの生涯の歴史的なあらゆる内容が含まれています。そのため、この韻律的な文章を散文にした場合、イマームアリーの完全な伝記ができあがるでしょう。
この詩の中では、ペルシャ語の文体が守られており、アラビア語の名前なども存在しますが、ペルシャ語が可能な限り最高の形で残されています。イランの英雄叙事詩人、フェルドウスィーの「シャーナーメ」とイマームアリーの英雄伝の2つの本を読んだ多くの人が、この本は第2のシャーナーメと呼べるとし、その言葉が英雄叙事詩的なものであることを賞賛しています。
この本の作者は、マフディ・シャフィーイーで、これ以前にも、イマームアリーの書簡や説教を集めた「ナフジョルバラーガ」(『雄弁の道』)を詩の形にしました。この作品の芸術面の編集はマジード・ザーレが担当し、この本の42章のそれぞれの初めには、美しい挿絵が見られます。この本のタイトルは書道の書体で記され、その美しさを倍増させています。