抑止力を保つためのイランのミサイル能力
(last modified Mon, 03 Jul 2017 07:33:59 GMT )
7月 03, 2017 16:33 Asia/Tokyo
  • 抑止力を保つためのイランのミサイル能力

イラン国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記が、2日日曜、イラン北東部のマシュハドで開催されたイスラムテレビ・ラジオ連盟の会合の開会式の傍らで、記者団に対し、テロ組織ISISに対するイランのミサイル攻撃のメッセージについて、次のように語りました。

「イランのミサイル力は、イランの国力の基盤のひとつと見なされ、抑止力を持つための必要性に応じ、何年も前から、その命中率、射程距離、破壊力が拡大されてきた」

 

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、少し前、イランの軍事産業技術を視察し、演説の中で、防衛力の拡大を継続する必要性を強調し、次のように語りました。

 

「専横な覇権主義大国が良心や道徳、人間性を全く持たず、罪のない人々の殺害や他国への侵略を全くいとわない世界において、攻撃、防衛産業の拡大はごく当然のことである。なぜなら、これらの大国がイランの力を感じない限り、国の安全は保障されないからだ」

 

現在、イランは、抑止力や攻撃力の点で、自国の軍事力を支えに、地域の情勢を悪化させる流れに対抗しています。

イランのデフガーン国防軍需大臣は、シリア東部デリゾールのISISの拠点に対するイランの最近のミサイル攻撃を受け、次のように強調しました。

 

「イランはあらゆる脅威に対して、可能な限り最も厳しい方法によって回答する」

 

一部のアナリストの間では、先月7日にテヘランで起こったテロ攻撃は、イランの国家安全保障に対する挑戦だと言われています。このテロはイランの厳しい回答に直面し、イスラム革命防衛隊は、その責務に基づき、デリゾールにあるISISの司令部に対して地対地中距離ミサイル6発を発射しました。イランはこれにより、イランの国家安全保障と抑止力がレッドラインであること、イランは国を守る上で他国の許可を得ることはないことを示しました。

ミサイルは大きく分けて、空対空、地対空、地対地、空対地の4種類に分けられ、それぞれが飛距離、燃料、弾頭、誘導システムの種類に基づいてさらに細かく分類されます。この分類の中で、クルーズミサイルと弾道ミサイルは、特に戦略的な重要性を有しています。

セッジールは、イラン初の固形燃料による長距離ミサイルで、一部の専門家はそれをイラン製の最も優れた弾道ミサイルとしており、可動式発射システムからの発射準備ができています。この弾道ミサイルの射程はおよそ2000キロです。

弾道ミサイルの中でも、イラン製のシャハーブは、最新の技術を備えた最もよく知られるミサイルのひとつと見なすべきでしょう。シャハーブ4は射程3000キロ以上で、衛星を搭載するために設計されたイランで最初のミサイルです。

シオニスト政権イスラエルの戦略的な脅威の分野で活動する研究所は、イランのミサイル能力の高さを認めています。この研究所は、イランのミサイルの1万1500キロという射程は、ニューヨークまで到達するとしています。

現在、イランの周辺の地域や国際レベルで、脅威が多様化しているために、国家安全保障の定義も幅広い側面を帯びています。こうした中、イランは他国を脅かしたり、侵略したりすることを考えたことはありません。しかし、脅威を退けるための反撃については、一瞬たりとも躊躇することはないでしょう。このことから、脅威に合わせて軍事力を向上させています。イランは現在、あらゆる種類のミサイルを生産する技術や能力を有しており、この大きな成果は、敵に対する決定的な抑止力と見なされるのです。