テヘランでの国連シリア特使とイラン政府高官の協議
この2日間、テヘランで、国連のデミストゥラ・シリア特使とイランの政府高官の間で協議が行われました。
これらの協議は、イランの中東担当外務次官のロシア、および、トルコへの訪問を受けて行われました。イラン、ロシア、トルコは、シリア問題に関するアスタナ協議とモスクワ合意の枠内で、シリアの協議のイニシアチブを握っています。こうした協議の継続により、現在、シリアの政治的、軍事的な状況は変化し、シリア情勢は、重要な転換点を迎えています。イラクとシリアのテロ組織ISISに対する抵抗勢力の勝利は、同時に行われながら、互いに影響を及ぼしあっています。イラクでのモスルとタルアファルの解放は、実際、ISISの動きを制限し、シリアでも、戦闘場所での変化が、テロリストの衰退につながっています。レバノンとシリアの国境地帯では、政府軍が大幅に進軍しました。これらの勝利が、危機の政治的な解決の土台を整えています。なぜなら、ISISなどの地域のテロ組織が消滅し、支配地域から追い出されれば追い出されるほど、政治的な解決の道が近づくからです。
このような状況の中で、まもなく開催されるアスタナ協議の新ラウンドは、大きな重要性を有しています。6度目となるアスタナ協議は、9月の半ばにカザフスタンで開催されます。
6年以上に及ぶシリアの紛争は、この危機が軍事的な方法では解決できないことを示しました。言い換えれば、シリアの軍事的な手段は行き詰まりに陥っています。第二に、6年の紛争で得られたのは、国の破壊のみでした。第三に、大勢の人々の死傷、イラクとシリアの数百万人の難民化は、ISISや過激派、戦争に対する嫌悪感を産みました。シリア危機の解決に向けた地域や世界の努力は、アスタナ協議でのイラン、ロシア、トルコのイニシアチブと、国連の支援によって始まり、それはジュネーブ協議につながるものです。
ユーラシア研究所のキャマール中東・北アフリカ局長は、「アスタナ協議は、これまでとは異なる歩みだ」としています。
また、アメリカ・デンバー大学中東研究所のハーシェミー所長は、アルジャジーラテレビのインタビューで、次のように語っています。
「この和平協議の違いは、これまで、国連が和平協議の主導と監視を担っていて、いかなる問題に関しても合意が得られなかったことにある」
イラン外務省のアジア・アフリカ担当次官が語ったように、シリアの将来はこの国の人々が決定するのであり、いかなる国も、シリア問題に関して決定を下すことはできません。シリア危機の当初からの根本的な原則の一つは、シリアの政府や国民への条件の強要や外国の干渉への反対でした。イランもまた、この道において、自国の政策を続けています。