イラン原子力庁長官、「イランは核合意の維持を望んでいる」
イランのサーレヒー原子力庁長官が、「イランは、核合意は重要なものだと考え、その維持を望んでいる」と語っています。
サーレヒー長官は、29日日曜、IAEA国際原子力機関の天野事務局長とテヘランで会談した後、「天野事務局長から、イランの軍事施設の査察の要請は受けていない」と述べました。
サーレヒー長官は、イランの軍事施設の査察について、「核合意の内容にも、追加議定書にも、軍事施設の名は出てこない。これについて話し合いは行われていない」と語りました。
また、「核合意に関して約束不履行が行われれば、イランは1年半以内にウラン濃縮に関して10万SWUに達し、4日以内に、フォルド施設で濃縮度20%のウラン製造を開始できる」と強調しました。
さらに、「核合意が崩されれば、予測不可能な結果になる。たとえば、NPT核兵器不拡散条約やその他の国際条約に疑問が呈されるだろう」としました。
サーレヒー長官は、天野事務局長は自ら希望してイランを訪問し、これまで良好な話し合いが行われたとし、「IAEAはこれまで、8度の報告の中で、イランの取り決め履行を認めている」と語りました。
また、「イランは天野事務局長に対し、IAEAが今後も中立的な見解を提示するよう求めた」と語りました。
天野事務局長も、イランの核合意の遵守を強調し、すべての関係国によるこの合意の遵守を訴えるとともに、「2016年1月から、IAEAは、イランの核合意の取り決め履行を監視し、その実態調査を行ってきた」と語りました。
さらに、「IAEAは、核合意は実態調査のための重要な成果であり、イランの核の取り決めは、核合意に沿って実施されていると断言することができる」と述べました。
天野事務局長は、28日土曜夜、テヘラン入りしました。