チャーバハール港、地域の協力に向けた機会
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チャーバハール港
オマーン海、イラン南東部の沿岸に位置するチャーバハール港第1フェーズが、イラン大統領と世界27カ国の関係者が出席する中、3日日曜に開港しました。

チャーバハール港は、イランの海運の発展において鍵となる役割を担っており、インド洋沿岸の国々がイランの北部や中央アジアの市場にアクセスするための玄関口となっています。そのことは、何年も前から、地域諸国、特にインドの経済、外交関係者から注目されてきました。

インドのスワラージ外務大臣は、2日土曜、チャーバハール港開港を前に、テヘランでイランのザリーフ外相と会談し、イランとの関係の拡大を求めました。

チャーバハール3カ国トランジット協定は、昨年5月、イランのローハーニー大統領、インドのモディ首相、アフガニスタンのガニ大統領の立会いのもと、3カ国の道路大臣によって、テヘランで調印されました。イランとインドは、チャーバハール港の開発に向けたインドからイランへの1億5000万ドルの融資と、チャーバハールへの8500万ドルの投資に関して合意しました。このプロジェクトの実施により、インドはチャーバハールからアフガニスタンにアクセスすることが可能になります。

チャーバハール港は、太平洋を航行する船舶の寄港を可能としています。この港の第1フェーズの開港により、イランのすべての港の荷役許容量に相当する可能性を持つ港が活動することになります。チャーバハール港に通じる鉄道や道路の敷設が進められており、チャーバハールは、3年以内に、鉄道によってイラン南東部の都市ザーヘダーンや全国の鉄道網と結び付けられることになります。

インドの運輸大臣は、最近のテヘラン訪問で、チャーバハールの貿易とこのプロジェクトへのインドの参入の重要性を強調し、「インド政府は特に、チャーバハール港のプロジェクトができるだけ早く稼動を開始するよう期待しており、インドの企業も、この港のプロジェクトへの投資に関心を示している」と語りました。
インドは、中央アジア諸国やアフガニスタンと175億ドル以上の貿易額を有しています。2020年までには、年間1600万トン以上の製品が、インドから中央アジアに輸出されると見られています。インドは、チャーバハール港を通して中央アジア諸国、コーカサス、特にアゼルバイジャン共和国やロシア、さらにそこから、リトアニア、エストニア、ベラルーシに自国の製品を輸送することができるようになります。
現在、この機会が現実のものになっており、イランとインドやその他の地域諸国との協力を強化することが可能になっているのです。