週刊イラン
この1週間の主な出来事です。 イスラムの預言者ムハンマドの生誕日の祝祭が行われ、統一週間が始まりました。 イラン海軍の日のイベントが行われました。 イランのザリーフ外務大臣が、アルメニア、イタリア、アゼルバイジャン共和国を訪問しました。 各国の関係者が、すべての関係国による核合意の遵守を強調しました。
この数日、イランのイスラム教徒の国民は、イスラムの預言者ムハンマドの生誕日を前に、統一週間を迎えています。
イスラム暦ラビーオルアッワル月12日から、預言者ムハンマドの生誕日にちなみ統一週間が始まります。スンニー派ではラビーオルアッワル月12日が、シーア派では17日が、預言者の生誕日とされています。
イスラムの統一を呼びかけていた、イランイスラム革命の指導者ホメイニー師は、この生誕日の違いをイスラムの各グループを連帯させるために利用し、この2つの説の間を「統一週間」と名づけました。イスラム教徒の統一は、この宗教の重要な原則であり、コーランの重要な基盤です。
イスラム革命の政治的、思想的な基盤は、宗教的な信条や民族の違いを超えた、イラン国民の統一と団結の精神の強化、革命的な信仰と意志に基づいています。現在、イラン国民が歩んでいる道は、革命的な動きの継続であり、イスラムの敵に対して統一することです。イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、この大きな動きの旗手であり、イスラム世界の統一を維持するための方法を提示することで、この統一と抵抗の効果を実際に証明してきました。
先月28日のイラン海軍の日には、この日を記念する式典が行われました。イラクとの戦争が行われていた80年代のこの日、イランの艦船は、永遠に残る英雄伝を築き、イラクの石油プラットフォームを攻撃し、その3分の2以上を破壊すると共に、このプラットフォームの一番高い場所にイランの国旗を掲げました。
ハーメネイー師は、イラン海軍の関係者や司令官らと会談し、海軍の重要性に触れ、「海軍はイランの防衛の前線におり、マクラーン、オマーン海、国際水域など、重要な地域を管轄している。国際水域における駐留をこれまでどおり、続けるべきだ」と語りました。
イラン海軍の力の強化について、ハータミー国防軍需大臣は、「ミサイル駆逐艦セパルが、来週、海軍に引き渡される」と語りました。
ミサイル駆逐艦セパルは、国防軍需省の専門家によって建造されました。ハータミー国防軍需大臣はさらに、潜水艦ファーテの建造に関する国防軍需省の措置について、「この潜水艦の建造は最終段階に入っている」と語りました。
イランのザリーフ外相は、先週、アルメニアのナルバンジャン外相の招待を受け、同国の首都エレバンを訪問しました。ザリーフ外相のこの訪問には、民間部門の経済関係者が同行しました。
ザリーフ外相は、アルメニアに続き、地中海対話国際会議に出席し、演説を行うため、イタリアのアルファノ外相の招待を受け、先週木曜、ローマを訪問しました。
イスタンブール・プロセス「アジア中核」会議は、先週金曜朝、アフガニスタンの安全保障の強化について話し合うため、アゼルバイジャンの首都バクーで開催されました。ザリーフ外相は金曜のこの会議で、アフガニスタン危機の解決に関して包括的な戦略がないことが、この国の恒久平和の実現を妨げる問題になっているとしました。
「テロ組織ISISは、地域やアフガニスタンの安定や安全に対する真の脅威であり、地域のすべての国が努力すれば、この脅威を阻止することができる」
ザリーフ外相は、バクーのアジア中核会議が始まる前に、アゼルバイジャン共和国のアリエフ大統領と会談しました。ザリーフ外相はまた、トルコのチャブシオール外相、アゼルバイジャンのメメディヤロフ外相、パキスタンのアシフ外相と会談し、両国の関係や地域問題について話し合いました。
イランは、近隣諸国との関係拡大を重視しています。この中で、イランと中央アジア・コーカサス地方の国々の関係は、いくつかの点で重要です。今回のザリーフ外相のアルメニアとアゼルバイジャンへの訪問は、両国の協力を強化すると共に、地域諸国の関係のバランスを保つ上で重要なものとなっています。
イランは、アルメニアとも、アゼルバイジャンとも、関係を拡大しています。イランは地域外交において、ナゴルノカラバフを巡るアルメニアとアゼルバイジャンの緊張の解消を助ける用意があり、地域協力の強化により、政治的な緊張や脅威を、協力のための機会に変えることができると考えています。
ザリーフ外相は、地中海対話国際会議でも、地域の平和と安全を支援するためのイランの積極的な外交について語りました。ザリーフ外相は、一部の地域諸国は、近隣諸国と協力するのではなく、武器を購入することによって、安全を買うことができると考えているとし、「すべての国は、互いに協力することによって、中東を安全な場所に変えるべきだ」と述べました。
イランのジャハーンギーリー第一副大統領は、先週、ロシアを訪問しました。ジャハーンギーリー第一副大統領は、ロシアのソチで開催された上海協力機構の閣僚会議で演説し、「イランは、この組織の加盟国との協力レベルを向上させ、地域や世界の平和、安定、安全、発展の強化において、より多くの役割を果たしていく用意がある」と語りました。
ロシアのラブロフ外相は、先週金曜、イタリアのローマで開催された地中海対話国際会議で、アメリカの妨害に対し、核合意の実施を改めて支持しました。
ラブロフ外相は、「アメリカが核合意から離脱すれば、それは取り決めへの違反を意味する」と語りました。
EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、この会議で演説した際、アメリカに向かって、「核合意は再び協議することも、内容を変更することもできない」と語りました。
モゲリーニ上級代表は、核合意は二国間の合意ではないと強調し、「ヨーロッパは、アメリカが核合意を尊重し、それを実施するよう望んでいる」と語りました。
ザリーフ外相も、地中海対話国際会議で、「核合意は、再協議できないだけでなく、イランの最高指導者が語ったように、さらなる具体的な措置によって実施が進められるべきだ」と述べました。
イランと6カ国の核合意は、2016年から実施されていますが、アメリカ政府は、この合意の一員でありながら、常に、核合意の実施に違反しています。アメリカ政府は、核合意の精神や内容に反し、この合意によるイランの利益を制限することで、マイナスのアプローチを進めています。
アメリカ政府は、先週木曜、アメリカのメディアに対し、オバマ政権時代から、核合意に基づいて開始されていたイランからの重水の購入は停止されると伝えました。アメリカはこれまで、イランから30トンの重水を購入し、その継続に関心を示していましたが、アメリカの新政権は、イランから重水を購入する意向がないようです。
アメリカは、地域に緊張を作り出す措置によって、地政学的に優位に立ち、自分たちの覇権を振るおうとしています。そうした動きの中心にあるのが、イラン恐怖症を広めることです。この動きは、イランのミサイル力に集中することで、イランに対するアメリカのイラン恐怖症政策の中心となっています。こうした中、イランは周辺に大きな脅威を抱えています。イランのハータミー国防軍需大臣は、「イランは自国の防衛力について他国と協議するつもりはない」と語っています。
アメリカは、イランのミサイル能力について騒ぎを起こしていますが、彼ら自身、NPT核兵器不拡散条約や化学兵器の廃絶に関する条約を遵守していません。
イラン外務省のデフガーニー国際安全保障政治局長は、先週金曜、オランダで開催された 化学兵器禁止条約の締約国会議で、世界最大の化学兵器保有国であるアメリカに対し、化学兵器の廃絶と取り決めの履行を加速するために必要な措置を講じるよう求めました。