核合意関連のウィーン協議・新ラウンドが開催
イランと5カ国グループが、核合意復活を目指しオーストリア・ウィーンにて、協議の新ラウンドを開催しました。
イランと5カ国グループ(英独仏中ロ)による協議の新ラウンドは、イラン国民に対するアメリカの圧政的な制裁の解除を中心議題とし、5ヶ月近い中断を経て29日月曜、ウィーンにて再開されています。
今ラウンドの協議は、エンリケ・モラ欧州対外行動庁事務次長およびバーゲリーキャニー・イラン外務次官兼協議団首席代表が議長を務める中、外務次官・政治局長級での開催となっています。
これに先立ち、アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相は口上書にて、「核合意における西側諸国のこれまでのあらゆる約束不履行にもかかわらず、わが国は善意の表示および一方的・圧政的な米の制裁解除を目的に、5カ国側との良好な合意達成に向け、成果優先の協議に臨む用意ができている」と表明していました。
また、「この協議の主要な目的は、イラン国民の権利回復および、核合意から一方的に離脱したアメリカにより同国の国境、地理的距離を超えて一方的に行使された、各種制裁の解除である」としています。
今ラウンドの協議初日終了後、バーゲリーキャニー次官は記者団に対し、同日の協議を前向きなものだったとし、「本日の協議における我々の課題は2つあった。一つは核合意の実施状況、もう一つは今後の状況、特に交渉に関するメンバーの視点だった。各国は意見を表明し、イランも自らの見解として、核合意の現状を招いた原因として、核合意や安保理決議 2231への違反および、この合意からの離脱というアメリカの行動を指摘したが、これは他の参加国にも支持された」と語りました。
さらに、「今回の協議で強調されたのは、問題が現状の継続、すなわちアメリカの核合意離脱を受けてイランに対し実施された、米の最大限の圧力行使政策が、米前政権の政策に現政権が反対する中で継続されていることである。30日火曜の朝、制裁解除に関する作業部会が、5カ国グループ全構成国とイランからの専門家の参加を得て形成されることになった」と述べています。
そして、「協議は過去6回のラウンドに基づいて行われるか、それともその道筋には変更が生じるか」との質疑に対しては、「詳細には踏み込まないが、当然ながら協議の道筋には何らかの形で部分的な変更が加えられるべきだ」としました。
一方、ロシアのミハイル・ウリヤノフ在ウィーン国際機関同国代表部常駐代表はツイッターで、「今回の協議への参加者らは、今後即時にさらなる歩みを踏み出すことで合意しており、完全に幸先のよいスタートを切った」と語りました。
核合意合同委員会の議長を務めるモラ事務次長も、今ラウンドがアメリカの対イラン制裁の解除につながるよう期待感を示すとともに、ウィーン協議の初日を前向きなものだったと評価しています。
モラ事務次長は、「現在の協議は今後数日間続き、すべての関係国が核合意の内容を復活させることを決意している」と述べました。
グテーレス・国連事務総長は現地時間の29日、第2回・西アジア非大量破壊兵器地帯設置に関する国際会議(Conference on the Establishment of a Middle East Zone Free of Nuclear Weapons and Other Weapons of Mass Destruction)において、特にアメリカをはじめとした西側の核合意署名国の約束違反には触れずに、「包括的共同行動計画(通称;核合意)の完全かつ効果的な実施に向けた協議への復帰は、重要な一歩である」としています。
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