イラン第1副大統領、「IAEAとの協力拡大を歓迎」
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イランのモフベル第1副大統領とIAEAのグロッシ事務局長
イランのモフベル第1副大統領が、「わが国の政府は、核知識の平和的利用に沿ったIAEA国際原子力機関との協力拡大を歓迎する」と述べました。
イルナー通信によりますと、モフベル第1副大統領は5日土曜、IAEAのグロッシ事務局長との会談において、イランの核計画を中心とした各国の核エネルギー活動について同機関が中立的アプローチを取るよう求めて、「国際社会はIAEAに対し、専門的な視点をもって各国の核計画を追尾していくよう期待している」と述べました。
続けて、IAEA結成の土台には全世界における平和的核知識の普及・拡大の支援があるとして、イランのIAEAとの協力拡大を強調しました。
そして、核兵器などの大量殺戮兵器の開発・使用は宗教的禁忌であるとしたイランイスラム革命最高指導者の教令に言及して、「イランは決して核兵器開発を追及したことはなく、IAEAもこの数年にわたって、イラン核計画の非平和的兆候に突き当たっていない」と説明しました。
グロッシ事務局長も、テヘラン訪問とイラン・IAEA間の建設的協議実施および合意確定について喜びを表明し、「この先のイラン訪問で、核計画の平和的拡大および同国におけるこの核知識普及に向けた協力案が実施されていくことを願う」としました。
イランのアミールアブドラーヒヤーン外相も同日、グロッシ事務局長と会談を行う中で、IAEAの独立した専門的かつ中立的なアプローチを求めています。
同外相は、イランの平和的核産業の支援などといった、監視・調査問題を超えた領域でのイランとIAEAとの関係・協力の強化を求めました。
また、IAEAとイラン原子力庁との間の協議とそこで得られた理解によって、二者間合意を実施する下地がこれまで以上に整うことを願うとしました。
グロッシ事務局長も、IAEAの技術的・専門的アプローチを強調して、関係・協力の強化と見解相違の解決を得ることを強調しました。
そして、IAEAとして核エネルギーの平和的利用分野での共同プロジェクト支援の用意があることを表明し、イランでの会談は同国との対話、相互理解、問題解決、協力の高まりに向けた意欲のしるしであるとしました。
グロッシ事務局長のイラン訪問は、オーストリア・ウィーンでアメリカの制裁解除を目的としたイランと4+1グループによる協議の第8回ラウンドが実施される中、行われています。
グロッシ氏の今回のイラン訪問は、イランでのライースイー政権の発足以来、3回目となっています。