イラン外相、「戦争は世界のどこにおいても解決策にならず」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、ウクライナ危機終結は政治的解決によるべきだとのイランの立場を示し、「わが国は、戦争はウクライナでも、イエメンでも、アフガニスタンでも、世界のどの場所においても解決策にはならないと考えている」と述べました。
イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は11日金曜、ポーランドのズビグニェフ・ラウ外相と電話会談し、両国関係やウクライナ危機をはじめとした地域・国際情勢、核合意復活を目指すオーストリア・ウィーン協議などについて意見交換しました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はこの中で、「イラン赤新月社および国際赤十字の協力のもとに、ウクライナ難民支援のため人道支援物資を積んだ飛行機を派遣する」とし、「イランの救援隊は国際赤十字と協力して、ポーランド国内のウクライナ難民に対してあらゆる人道支援を提供する用意ができている」と述べました。
これに対しポーランドのズビグニェフ・ラウ外相も、イランが第二次世界大戦中にポーランド難民を受け入れたことなど、両国の長い関係に触れ、このような関係は両国にとって名誉あることだとしました。
ズビグニェフ・ラウ外相はまた、ウクライナからの女性・子供の脱出や難民への食糧・医薬品提供のための人道回廊設置を基本的な必須事項とした上で、「国際赤十字のような一部の国際機関は、監視体制が遵守された人道回廊の設置のため努力しており、ポーランドはこれまでに150万人のウクライナ難民を受け入れている」と強調しました。
ロシアは先月24日より、ウクライナ東部から独立を宣言したドネツク共和国およびルガンスク共和国を支援するため、ウクライナでの「特殊軍事作戦」を開始しました。
ロシア政府は、「ウクライナでの自国の作戦」は開戦目的ではなく、あくまでも世界レベルでの戦争の阻止が目的であるとしています。
しかし、日本やヨーロッパ諸国、アメリカを初めとする世界の多くの国は、直ちにロシアのこの行動を対ウクライナ戦争だとして非難し、ロシアに対する経済制裁・外交的圧力の強化を開始しました。
ロシアはこれに先立ち、何度も西側諸国に対し、ウクライナ東部のロシア系住民に対するウクライナ軍の攻撃や人権侵害が配慮されていないことに関して警告しています。