三井物産が、「サハリン2」の出資継続へ
ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、三井物産が露大統領令に基づき新たに設立された新運営会社への出資を継続する意向を固めました。
ロシア・スプートニク通信が、日本の報道各社の20日土曜の報道として伝えたところによりますと、三井物産は月内にも正式決定し、回答期限となる9月4日までに露側に参画継続を通知する見込みです。
日経新聞などによると、三井物産は「現状では不利益につながる新たな条件変更はない」として出資継続の方針を固めたということです。
これまでに「サハリン2」をめぐっては、英領バミューダに登記上の本拠を置いていた旧運営会社「サハリン・エナジー」を解体し、ロシアの運営会社に資産や権利を移管することを定めたロシア大統領令によって、8月5日に新運営会社が発足していました。
旧会社に出資していた日本の三井物産と三菱商事は、参加を継続するか否かを9月4日までに判断し、ロシア側に伝えるよう求められています。
サハリン2からの輸入が日本のLNG天然ガス需要量の約1割を占めることなどから、日本政府はエネルギーの安定供給の観点から両社に対し、新会社への出資を前向きに検討するよう要請していました。
一方で19日金曜には、日本の東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資する「JERA」と「東京ガス」が、「サハリン2」の新たな運営会社とのガス購入契約を継続することが明らかになっています。
ウクライナ戦争をめぐる対ロシア制裁への対抗措置として、日本企業も加わるロシアの天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、プーチン・ロシア大統領は同事業をロシア法人に移管する大統領令に署名しました。
これにより、このプロジェクトから日本企業の権益が失われるおそれも指摘され、その行方が大きく注目されていました。