知床観光船沈没事故;犠牲者の3遺体が小樽港に到着
知床沖の観光船・カズワンの沈没事故で、乗客・乗員とみられる3人の遺体をロシアで引き取った巡視船が、北海道・小樽港に戻りました。
地元メディアHBC北海道放送のほか、日本の報道各社によりますと、海上保安庁の巡視船「つがる」は日本時間の9日金曜午前、北方領土の国後島などで見つかった3人の遺体を、サハリンのコルサコフ港で引き取り、10日土曜午前8時ごろ、小樽港に戻り、着岸しました。
そして検疫などの手続き後、同日午前8時35分ごろから船から搬出され、船後部付近に順次到着した3台の青いシートで覆われた車に移されて、海上保安庁の職員が敬礼しながら見送る中、鑑定に向けて、小樽港を出ました。
第1管区海上保安本部の川越功一次長は「遺体がお帰りいただいたことに安堵(あんど)している。道警の協力を得て身元の特定を進め、できるだけ早くご家族のもとにお返ししたい」と語りました。
ロシア当局の鑑定では、3人の遺体のうち、5月に国後島で見つかった1人は乗員の曽山聖(あきら)さん、もう1人は乗客の北見市の21歳の女性、6月にサハリンで見つかった1人も乗客で、北見市に単身赴任中の59歳の男性と、それぞれDNA型が一致しています。
遺体引き渡しをめぐっては、ウクライナ問題で日ロ関係が悪化する中、外交ルートでの調整が長期化し、最終的に8月下旬に両国が引き渡しに合意しました。
これらの遺体については、あらためて北海道警察などとDNA鑑定することになっています。
去る4月23日、北海道・知床半島での観光船カズワンの沈没事故が発生しました。
この観光船の乗客・乗員計26人のうち15人の死亡がすでに確認されており、今回の遺体の身元が確認されれば、残る行方不明者は8人となります。