理研がサイボーグ昆虫を開発、災害現場など幅広い活用に期待
(last modified Thu, 22 Sep 2022 20:51:00 GMT )
9月 23, 2022 05:51 Asia/Tokyo

理化学研究所(理研)などの研究グループが最近、生きたゴキブリに極薄の太陽電池や無線通信装置を背負わせた「サイボーグ昆虫」を開発したことを明らかにしました。

このサイボーグ昆虫を開発したのは、理研開拓研究本部の福田憲二郎専任研究員、染谷隆夫主任研究員(東京大学大学院工学系研究科教授)、早稲田大学大学院創造理工学研究科の梅津信二郎教授のほか、シンガポール南洋理工大学の研究者らが参加する研究グループです。

この研究グループは、マダガスカルゴキブリの胸部背側に柔らかいバックパックを介して無線装置となる無線移動制御モジュールとリチウムポリマー電池を装着しました。

福田専任研究員ら研究グループによりますと、ゴキブリのような腹部の変形は他の多くの昆虫にもみられることから、今回開発したサイボーグ昆虫作製の手法は他の昆虫にも応用できるということです。

また充電することで昆虫の寿命が続く限り長時間、長距離の操作が可能です。

生物のサイボーグ化研究は海外でも行われていますが、特に昆虫の体に小さな集積回路などを備えたサイボーグ昆虫の研究が盛んになってきています。

その理由として、サイボーグ昆虫は機械化した関節を動かす昆虫型ロボットより消費電力が少なくて済むことがあげられます。

今後センサーやカメラを搭載するなど工夫、改良することにより人間が入り込めない災害現場の調査や環境モニタリング、危険地域の検査などでの活用が期待されています。

 


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