視点
被爆地・広島での核軍縮会議
広島で開催されていた、核兵器の廃絶を議論する「国際賢人会議」が閉会した一方で、その目標が実現される明白な展望は見えていません。
このような会議を広島で開催することは重要です。それは、広島の人々は、長崎とともに、第二次世界大戦末期にアメリカの原爆によって攻撃され、数十万人の市民が殺害されたほか、現在も、広島と長崎に住む多数の人々が、被爆による障害・後遺症を含む破壊的な影響に直面しています。そのため、広島の地方自治体は、核兵器使用の壊滅的な影響を提示するとともに国際会議の開催により、世界を軍縮に向かわせようとしています。
これについて、イランの国際問題専門家ラフマーン・ユーセフィー氏は、「日本国民は世界初の原爆の犠牲者となり、その苦味を味わったことから、このような大惨事の再発を防ぐため、核軍縮によって世界を平和と平穏に向かわせようと努力している。このことから、広島市が国際的な核軍縮会議やこの種の兵器の使用に関する展示会を常に開催している」と語りました。
広島と長崎でこのような恐ろしい犯罪を引き起こしたにもかかわらず、アメリカは核兵器を削減するための措置を講じていないのみならず、世界の安全保障を大きく脅かす新世代の核兵器を製造・実験しています。
日本でも特に広島と長崎の人々は、政府が国内都市へのアメリカの原爆攻撃に対する嫌悪感を表明するに当たり、国民のプライドが損なわれないように、対米関係のレベルを調整することを期待していました。しかし、日本の与党・自民党は、米国との戦略的関係を可能な限り真剣に追求しています。
これについて、イランの国際問題の専門家アボルファズル・ゾフレヴァンド氏は「日本国民は、米国に屈辱を与えられているだけでなく、自国政府がこの問題とは関係なく数万人規模の米軍を、特に沖縄を中心に受け入れていると感じている。米軍のモラルに反した行動は、日本人の憎悪を引き起こし、彼らの感情を逆撫でしている」との見解を示しています。
こうした中、日本の司法制度では法律違反を起こした米兵を訴追できないという事実があります。近年、在日米軍兵による日本人女性・少女への犯罪、また場合によっては殺害にまで至っている事件に関する多くのニュースが報じられています。 しかし、日米地位協定により、日本の政府と司法制度は在日米軍兵の法律違反には対処することができません。
いずれにせよ、アメリカは干渉主義・挑発的な政策の継続により、米国は朝鮮半島をはじめとした世界の情勢不安を扇動し、紛争を激化させており、これにより各国は脅威を感じ軍拡競争に駆り立てられているのです。
さらに、米国は核のアパルトヘイト政策を踏襲し、シオニスト政権イスラエルを含む一部の犯罪政権を核兵器の製造と保有へと仕向けています。これは、地域、ひいては世界の安全保障に対する深刻な脅威とみなされます。
こうした現状において、国際世論を核軍縮に向け説得する目的により広島で今回のような国際会議を開催することは、少なくとも核兵器の使用がもたらす驚くべき結果を世界によりよく認識させるという効果があります。
この点に関して、日本の世論は、日本政府がこの問題をフォローアップし、核保有国に核兵器の廃棄を促すために必要な国際的ムードを作り出すための真剣な一歩を踏み出すことも期待しています。もっとも、この問題の実現には、世論の圧力と世界規模でのメディア活動の増大・活発化が必要とされています。