米軍がPFAS問題設備含む沖縄県内の施設撤去へ 国防総省は作業の安全性に言及せず
うるま市や北谷町などの沖縄県内6カ所の米陸軍貯油施設で、人体に有害な有機フッ素化合物PFASを含む泡消火剤関連の貯水槽などが2026年までに撤去されることが分かりました。
沖縄タイムスによりますと、米国防総省はこれらの設備が現在は使用されておらず、腐食が進行しているとしました。
同省は、PFAS関連の設備が撤去されるのは、うるま市の「金武湾タンクファーム」1~3、北谷町の「桑江タンクファーム」1と2、うるま市のホワイトビーチにある陸軍管理のタンクファームの6カ所であり、計五つの貯水槽、三つの地下貯水槽、三つの消火設備と関連するパイプや配管などが撤去されるとしています。
撤去される中には21年6月、1リットル当たり約8万ナノグラムと、国の暫定指定値(50ナノグラム)の1600倍に相当するPFASを含む汚水を漏出させた金武湾タンクファーム3の貯水槽も含まれています。
同省によれば、これらの設備は現在「泡消火剤の腐食性と、海に近い(塩分を多く含む強風が吹く)沖縄特有の環境が重なり、作動不能な状態にある」ということです。
撤去は今年夏以降から31カ月間かけて行われ、総工費は、約1千万~2500万ドル(約11億~27億円)とされています。
撤去工事に関する安全性などについて、米国防総省は同紙に回答しませんでした。
米連邦議会は、泡消火剤による環境汚染や健康被害が拡大していることを受け、20会計年度国防権限法で、24年10月1日までに米国内外におけるすべての米軍施設でのPFASを含む泡消火剤使用を段階的に廃止するよう定めています。
同法の制定を受け、国防総省は米国内外の米軍基地施設に、対象となる泡消火剤の使用禁止と在庫廃棄、代替物質への切り替えを通達しました。