日本企業の対ロシア産石炭依存度削減が鮮明に、一方で一部は代替調達先の確保が困難
(last modified Sat, 08 Apr 2023 09:40:16 GMT )
4月 08, 2023 18:40 Asia/Tokyo
  • 日本企業の対ロシア産石炭依存度削減が鮮明に
    日本企業の対ロシア産石炭依存度削減が鮮明に

日本企業は過去1年間、総じてロシア産石炭への依存度を下げてきた一方で、代替調達先の確保が難しく、調達先の切り替え問題に直面している企業もあることが明らかになりました。

日本経済新聞によりますと、日本政府は2022年4月にロシア産石炭の将来的な輸入削減を打ち出しており、同国が去る2月にロシアから輸入した燃料用石炭は前年同月から7割減っています。

実際、段ボール大手の「レンゴー」は、年間約14万トンの石炭を使用し、全量をロシアから輸入していたが、インドネシア産に切り替えました。

またJERAも2022年夏以降、ロシア産石炭の輸入を中止したほか、2021年度に石炭の約1割をロシアから調達していた東北電力は、代替供給先としてオーストラリア、インドネシア、北米に目を向けています。

一方、日経新聞によると、セメント産業はロシア産石炭への依存度が高く、調達先の切り替えには時間がかかるとされています。

同紙によりますと、実際、日本のセメント産業最大手「太平洋セメント」は2022年度、ロシア産石炭の使用割合が約3割を占める見通しだとし、2021年度と比べると半減したものの依然として高い水準にあるということです。

JOGMECエネルギー・金属鉱物資源機構の関係者は「ロシアからは小型船で輸送ができ、セメント会社のような小口の消費者が調達しやすかった」と分析しています。

さらに同紙によれば、各社は代替調達先の確保を進めてはいますが、割高なコストが各社の経営の重荷になっているということです。

2012年~2020年まで露エネルギー相を務めたアレクサンドル・ノヴァク副首相は以前、ロシア産石炭を拒否する国々の禁輸措置などによって、世界市場のバランスが崩れ混乱が生じていると指摘しています。

 


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