アイスペースの月着陸船が着陸に失敗、CEO「次に向けた大きな一歩」
日本の宇宙企業アイスペースが、同社の月着陸船が民間初の着陸に失敗したことを受け、次回の月着陸船打ち上げ計画などに経験を生かすことを明らかにしました。
日本の報道各社によりますと、アイスペースの月着陸船は26日水曜未明、月着陸に挑みましたが、着陸とほぼ同時に通信が途絶えました。
アイスペース社はその後、「月面着陸は達成できないと判断した」と発表し、民間企業として世界初を目指した月着陸は失敗しました。
しかし同社は貴重なデータを獲得できたとして、2024年度に予定している次回の月着陸船打ち上げ計画などに経験を生かすとしています。
アイスペース社によると、月の上空約100キロ・メートルを周回していた着陸船は現地時間の26日午前0時40分頃、高度を徐々に下げ、着陸を目指しました。
しかし、着陸予定時刻の同午前1時40分頃、東京都内の地上管制室との通信が途絶えました。
これまでの分析で、着陸船は月面に対して垂直になり、最終着陸態勢となったが、減速に使う燃料がなくなり、降下速度が急速に上がった後、通信が途絶えたことが判明しており、月面に衝突して機体が大きく損傷した可能性があるということです。
着陸船は幅2・6メートル、高さ2・3メートルで、重さは340キロ・グラムで、日本の企業などが開発した探査ロボットやUAEアラブ首長国連邦の宇宙機関の探査車など七つの積み荷を搭載していました。
月面に無事着陸できれば、日本としても官民通じて初で、旧ソ連、米国、中国に続く4か国目となるため、注目が集まっていました。
今回の件について袴田武史・アイスペース最高経営責任者(CEO)は26日午前の記者会見で「着陸するまでデータを獲得できたのは非常に大きな達成。次に向けた大きな一歩だ」と次回への意欲を見せました。