May 02, 2023 16:53 Asia/Tokyo

『PLUTO』の制作中で多忙を極めるスタジオM2の丸山正雄社長が、「日本のアニメは崩壊している」との見解を示しました。

丸山氏はその理由として、アニメの肝である「動画」を作るにあたっての環境が崩れたことを挙げています。

そして、デジタルとアナログのさらなる融合に力を割く余裕が業界にない現状も指摘しました。

また、3DCGの利点がアニメでは欠点になっているとし、3DCGがはらむ問題として、アニメではなく実写に近くなることを指摘しました。

特に、「本物と見紛うばかり」という利点がアニメでは欠点となってしまい、手描きとは異質であるとしています。

加えて、「デジタルの早い・便利ばかりに頼っているのを止める必要がある。それはアニメーションの本質は『コマ打ち』であり、機械的に計算しては絶対出てこないものだからだ」と述べました。

これに対し、同じCGを使った手法でも、中国で作られた作品などはもう日本よりはるかに上手い、としました。

続けて「デジタルによって、日本のアニメの一番良いところが失われてしまって、それを継いでいく人がいない。それを理解して、デジタルでも再現したいと思っている人が、果たして何人いるんだろうかと。恐らくほとんどいないだろう」としています。

加えて、デジタルを日本の手描きアニメーションに近づける努力、それから努力ができる環境、あるいはおカネを用意するという環境は(日本に)ない、としました。

そして最後に、「デジタルに手描きの要素をどれだけ足せるか? それを突き詰める人がどれだけいるのか? そっちのほうがはるかに大事だと思う」と結んでいます。

 


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