安倍首相の支持率低下
共同通信社が実施した全国電話世論調査の結果、安倍内閣の支持率がさらに下落し、2012年以来最低の数字になりました。この調査では、7月の安倍内閣の支持率が、前の月と比べて9.1%下落し、35.8%と過去最低の水準となっています。
日本自民党は、第二次世界大戦後、一時期を除いてほぼ常に、与党の座を守ってきました。現在も日本最大の党となっています。こうした中、最近の社会情勢の変化により、安倍首相の支持率が急速に下落しています。これまでは、自民党の問題や安倍首相の計画に対する抗議は、主に、社会福祉、保険、若者の雇用、アメリカ軍の駐留に対する反対といった問題に関するものでした。しかし、近年、安倍首相が、アメリカの要請に沿って自衛隊を国際的な任務に参加させようとしているため、国民の抗議の性質も変わり、安全保障問題に関するものとなっています。
日本の人々は反政府デモの中で、常に、「日本は、世界の平和に貢献し、国際社会で役割を果たす上で、別の道を選択することができる。安倍首相が取り組もうとしている安全保障に関する法の改正は、戦争につながる恐れがあり、我々はそれを望んでいない」と訴えています。
日本の政界は、安倍内閣の支持率低下についてさまざまな理由を提示しています。第一に、安倍首相は、過激なナショナリストと見なされ、防衛力の強化と自衛隊の国外の任務への参加に関する安倍首相の最近の計画は、それほど国民の支持を得られていません。第二に、日本の人々は、安倍首相の国粋主義的な構想にも拘わらず、首相はアメリカの言いなりになっていると考えており、防衛力の強化以外に、日本の独立や国力の強化に向けた取り組みを行っていないと見ています。第三に、安倍内閣の経済・安全保障分野のアプローチ、朝鮮半島をはじめとする地域の危機への対応の弱さがあります。
こうしたことから、安倍首相は以前にも、内閣改造の方針を明らかにしていました。こうした中、消息筋によれば、安倍首相は、稲田防衛大臣を交代させる意向だということです。そして、安倍内閣の支持率低下の第四の理由は、学校法人 「加計学園」の獣医学部の設置をめぐる問題などの不祥事です。共同通信の世論調査の回答者は、この問題に対する不信感を明らかにしています。
今回の世論調査で注目に値するのは、回答者の57%が、内閣改造を無意味だと考え、状況の改善を期待できないと強調していることです。これは、自民党への信頼が薄れていることを意味し、今後、自民党の立場をこれまで以上に弱めることになるでしょう。
村山元首相は次のように語っています。
「安倍首相の独裁政治を受け入れず、それを強く批判する。安倍首相は、自衛隊を国外に派遣しようとしているが、日本の平和憲法は、自衛隊のそのような活動を禁止している」
いずれにせよ、安倍首相の支持率は下落傾向にあり、安倍首相は憲法の改正によって、日本を地域で軍事力を持つ国にしようとしています。自民党は国会で過半数の議席を占めていますが、安倍首相の政策に対する国民の抗議が続けば、それに反対する野党の立場が強まる可能性があるでしょう。