名古屋で、のぞき穴を使った舞台の新常態
(last modified Tue, 02 Mar 2021 06:54:03 GMT )
3月 02, 2021 15:54 Asia/Tokyo

名古屋市のダンスカンパニー「月灯りの移動劇場」が、ソーシャルディスタンスを保ちながら鑑賞する円形舞台装置を制作し、愛知県で公演を行いました。

2015年から名古屋を拠点に創設された「月灯りの移動劇場」は、オリジナルの移動式テント劇場で日本全国の空き地をまわり公演を行ってきたダンスカンパニーです。今回の作品は、舞台芸術界が抱えるソーシャルディスタンスの鑑賞形態について新しい提案ができないかというところから始まり、飾り窓や見せ物小屋などから発想を得て作られました。

30枚のドアを円形に配置したこの劇場では、鑑賞者は1人ずつドアと仕切り板に囲まれた空間に座り、ドアスコープと新聞受けを模した二つの穴から出演者のダンスやマイムをのぞき見るかたちになります。

フェイスブックのページではこの劇場の趣旨について、「コロナ禍に伴い、経済だけではなく、社会情勢そして、人の心というのはSNSなどの情報化に伴い、互いが互いを監視し、検閲するような歪な関係性が浮き彫りになってきました。覗き見るという鑑賞形態を用いることで、鑑賞者と演者が互いの視線を通常の舞台より強く感じるように設計することで、見られるという感覚の先にある現代社会の現状に目を向けてほしいという思いもありました」と説明されています。

主宰するダンサー・振付家の浅井信好さんは、「安心して鑑賞できるニューノーマル(新常態)な舞台形式の一つとして提案したい」と話してます。

 

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